天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【本】疾病の歴史と私たちの今

昨日三回目のワクチンを打ってきました。周囲の人は大抵、多少の頭痛やだるさ、微熱など出たのに、私は至って平気というか、多少だるいのは日常なのでほとんど変わりません。平熱が酷く低いし、本とコンピューターの生活様式からも一年中身体が凝ってるので…

【本】戦争に反対するシュールな本たち

映画のシュルレアリスム 都立大OUで行っている【世界の美術館】で西洋美術史を知る、講座もいよいよ終わりに近づきました。古代ギリシャに始まり、現代美術で終わり。「子供の頃に、リアルに知っている時代になった」と参加者から言われました。ここ二回ほど…

【本】芸術家の伝記

コンピューターと携帯(携帯する物はいくらでもあるはずなのに、今では電話に決まってる。あと何年したらこの常識が通じなくなるのか興味があります)が一般化して、素晴らしい点もたくさんあるけれど、負の部分もある。情報貧民と言われるような人々が当然…

美術とスポーツ

都立大OUの講座【世界の美術館】は「印象派」まで来ました。それで印象派のことをいろいろ調べているうちに、スポーツとの関連を見つけました!オリンピックたけなわの今、記事にするのがいいかなと思って書いています。 Boudin 印象派は近代美術の幕開けに…

【本】美術館を訪ねる

このところずっとネットで別世界に行く時間が長かったので、更新してなくてすみません。読んでくださっている方に心配されたので、書かせていただきます。 小さな美術館巡り 私の都立大オープンユニバーシティの講座「世界の美術館」も順調に進んでいます。…

【講座】再出発の兆し

遅まきながら、明けましておめでとうございます。 西欧ではクリスマスと年始を祝うカードを同時に送るので、私も年末に書きましたが、やはり日本では「あけましておめでとう」と言わないと、何か一年が始まらない気分になります。日本人再確認です。 Pinturi…

【挨拶】Buon Anno! 新年のご挨拶に替えて

街を歩くと、活気を取り戻しつつあるというのはニュースばかりで、実際には閉店したお店がいかに多いか痛感します。昨日も近所のメディカル整骨院の看板が亡くなっていました。私の地元、国立も街が様変わりする程変わりました。 Matisse, 1951, Museo Vatic…

【忘年会】リモートと数人レストラン

もうすっかり、私の都立大OU(オープンユニヴァーシティ)での講座はリモート(オンライン)授業になっています。いよいよ今週の土曜日が今年の最終授業。 古代ローマ人たちの食事:エスカルゴの盛り合わせ 参加してくださった方々には、感謝感謝です。参加…

【講座】世界の美術館

Cattedrale di Siena www.ou.tmu.ac.jp 来年の、都立大オープンユニバーシティの講座の募集が始まっています。 Pinacoteca nazionale, Siena 私が担当するのは【世界の美術館】です。とはいえ上記の講座内容を読んでいただければ分かる通り、世界の美術館と…

【講座】西洋美術史の講座内容で悩む私

都立大のオープンユニヴァーシティ講座は三ヶ月、年四回(春夏秋冬)ですから、その一回ごとに内容をどうするか考えます。コロナになってからペスト関連の資料を読み漁り、絵画や美術の変化を確認しました。これは私が、日本の西洋美術史におけるペスト研究…

【本】ラッファエッロ・絵本から本格的なものまで

前回の講座「システィーナのミケランジェロ」の後、休みなく始まった「ローマ(システィーナ礼拝堂を中心に)のラッファエッロ」ですがちょっと休憩している間に、突然秋が深まりました。私は一年中変わりないけど、一般には読書の秋です。ぜひ読みまくりま…

【聖書】こども聖書アプリ、お勧め!

西洋美術史の講座をずっと持っています。 当然参加者の興味は様々です。 1、美術が好きな人 2、歴史が好きな人 さらに 3、旅(私の場合は特にイタリア)に興味のある人 でも4、聖書に興味のある人 も結構います。 こども聖書アプリ 文学や映画、ロック音…

【本・映画】芸術家の人生:ラファエッロ

Ciao Tutti! お休み楽しんでますか?私はいつもと変わらず本とコンピューターに浸かっています。 La Fornarina, 1944 いよいよ来週がミケランジェロの授業の最後となりました。以前はシスティーナの天井画と祭壇壁画【最後の審判】を2回に分けてやろうかと…

【映画】美術家たちの伝記:ゴッホ・展覧会も

ゴッホの展覧会に合わせて、観たかった映画を見たので感想です。 At Eternity's Gate 先日見た映画は2018年製作の「永遠の門 ゴッホの見た未来」です。いつものことですが原題は単に「永遠の門にて」です。言うまでもないことですが<永遠>とは<神>に他な…

【美術】ミケランジェロの次はラッファエッロ💖

このところずっとシスティーナ礼拝堂を詳細に観ています。昨日も大勢が大変熱心に講座へ参加してくださり、心から感謝します。ここで紹介している本もずいぶん読まれていて、入門とはかけ離れた本にも飽き足らない様子の方に、授業でやっと納得したと言って…

【本】ミケランジェロについての様々な本:漫画から学術書まで

夏休みだからかリモートにも関わらず、授業間隔があいているので、ミケランジェロについての色々な本を紹介します。何回も書いているのですが、ミケランジェロは流石、西洋美術最高最大の芸術家と多くの人が考えているだけあって、なかなか出版物も多いです…

【ドラマ】驚愕の「弔い写真」

海外ドラマファンです。海外といってもほぼ欧米ものです。たまに南米とかアフリカ映画とか観ます。理由は、単純に画像と物語構成や主義主張が合うからですが、英語やイタリア語(多少はフランス語やスペイン語)だと、言葉の勉強になると言い訳ができます。…

【時事】2021東京オリンピックとイタリア

オリンピックが終わって少し落ち着いたところで、イタリアとの関連を書きたいと思います。 流石のイタリアチームのユニフォーム 私はオリンピック開催が決定するずっと前から反対の立場でしたが、始まってしまえばスポーツ観戦好きなので、当然可能な限り応…

【本】ミケランジェロのトンデモ本から考える

題名:隠されたヨーロッパの血の歴史副題:ミケランジェロとメディチ家の裏側著者:福島隆彦 表紙 う〜ん、普段全く読まない類の本で、数行読んでビックリしちゃった。こんなメチャクチャな・・・で、著者を検索したらトンデモ本の中でも最高のとんでも本大…

【本】ミケランジェロ:絵本や子供向け伝記もいっぱい!

またかの緊急事態宣言直前、うんざりな私は都立大OU(オープンユニヴァーシティ)の夏季講座の準備に勤しんでいます。どこへも行けないのでひたすら近所にお手かけ。ということで図書館(これは私の人生のおなじみだけど)を隅々まで見ているうちに、子供コ…

【美術】暑い夏は熱いミケランジェロと

今日は大雨でカルチャーセンターがお休み(振替)になりました。豪雨で窓が開けられずコロナ対策の空気入れ替えができないからだそうです。そこで zoom 授業の最大の利点を痛感。都立大も大雪とか台風とかの時大変だった。一度なんか電車が止まって大金払っ…

【映画】美術家たちの伝記:フリーダ・カーロ

いよいよ「システィーナ礼拝堂を詳述する」シリーズ第一弾が終わろうとしているところです。次はミケランジェロだからみんな都立大OUの私の授業に来てください! とか言いながら常に映画やドラマは見観ちゃってて、昨日は「フリーダ」を観ました。 フリーダ …

【映画】九人の翻訳家 囚われたベストセラー

題名:Les traducteurs(翻訳家たち)邦題:9人の翻訳家 囚われたベストセラー製作:2019年。フランス、ベルギー監督:レジス・ロワンサル、アラン・アタル(製作) ポスター 評価は特に高くはないけど、私には、身につまされる部分も大きいからか、とても…

【美術】システィーナ礼拝堂のミケランジェロ

おかげさまで、1年以上できなかった都立大の講義もオンラインではあるけどやっと再開でき、楽しく授業しています。都立大OUとしては例外的に大勢の参加者も皆熱心で、ここで紹介する本を読んで、旅に行ったりもしているようでとても嬉しいです。 Michelangel…

【料理】9000年の歴史を持つ小麦でパンを作ってみた

私にしては珍しく料理の話! ルッカ料理フェス ルッカ(イタリアはトスカーナ州の街)を知ってる人なら、このポスターを楽しめるはず。ルッカで最も印象的な(世界中でも珍しい)古代ローマ帝国時代の競技場アレーナ広場(ローマのアレーナはコロッセーオ)…

【イタリア語】Tutti i Giorni❣️L'italiano イタリアのドラマ

何語でも勉強するには、不断の勉強が必要だけど、辛すぎると続かないから楽しみながら、息抜きしながら勉強したい。と言っても、語学学校の定番「ひたすら楽しいばかり」の勉強なんてあるわけないし、そんなんでできるようになる人はいないのが真実。基本は…

【映画】外出禁止だからせめてロード・ムービー

不要不急の外出禁止令をがっちり守りまくっているので、仕事(授業)の資料作りの他に、本を読んで、映画を観て、ドラマも完走、世界中の人とゲームで交流、音楽リストも作成して、その上裁縫や手芸、さらには普段は絶対やらないパンまで焼いてみた。 The St…

【本】展覧会、美術展について

更新サボってました。でも来てくださった方、どうかブログ内検索してください。美術とかイタリア語とか旅とかで過去の記事が出てくるので読んでください。お願いします 美術館っておもしろい コロナになって私個人も甚大な被害を受けていますが、美術館・博…

【本】システィーナ礼拝堂の図像探究のためにも(地理・年表)

先日、本当に久しぶりにオンライン授業ではありますが、都立大OUの講座が再開しました。人数が多いのでみんなと会話することはできません。でも参加者が、私の授業を待ちわびてくれたと知ることほど嬉しいことはありません。できることなら全員を連れてイタ…

【本】ルネサンスを知るために(小説)

都立大OU(オープンユニヴァーシティ)のオンライン授業で私が受け持つ講座「システィーナ礼拝堂の図像探究」のために、ルネサンスのことを少しでも知るための本を紹介しています。勉強はなんでもそうだけど、予習と復習なら予習の方が絶対効果的だから。も…

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ