天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【美術】東京の美術館

「東京の美術館」という4回だけの講座を初めて夏季講座にしました。非常にたくさんの方が参加してくださり、大教室での授業となりました。対面ということもあったのかもね。その授業に関して感想をいただきましたので掲載します。Hさんは、私が放送大学で対面の授業を行なっていた時から受講してくださってるお一人です。大変お忙しく、色々なことをなさっているのでいつも来られるとは限りませんが、そういう方が辞めるのではなく、可能な時に参加してくださるのも、とても励みになります。以下はいただいたそのままです。

岩崎ちひろ

今回の講座も楽しく受けさせて戴きました。

先生の講座を、始めて受けさせて戴いたのは、2018年春でしたので、5年以上前になります。

以降コロナ下でのオンライン講座を含め、幾つか受けさせて戴きましたが、最近ある事柄に気が付き、一度先生にお礼メールをしようと思い立ちました。

町田国際版画美術館

その① 直近では(少しお話させて戴きましたが)町田の国際版画美術館です。授業で見せて戴いた版画に記憶があり、町田の美術館に電話してみると、9/24まで「版画家たちの世界旅行」開催中との事。松戸が住まいですので少し遠方でしたが、思い切って行ってみました。保有作品も多い立派な美術館なのに驚きました。松戸の聖徳大学の講座「ローマの美術探索・教会編」でG.B.ラネージに接しましたが、彼の版画10点も展示されていました、当時と殆ど変わっていないローマの建物や風景がとても面白く、本物を見ることが出来、感動いたしました。

 

その② システィーナの約30回の講座は、コロナ下・オンラインで受けさせて戴きました。中身がとても濃く、多岐にわたっていて素晴らしかったです。いつも作る復習の為のレジメは(あっちこっちと自ら脱線することもあって)ほぼ完成しましたが、多分200枚を超えています。スクリーンショットも使わせていただいているので、詳しく深い解説が沢山あって、なんとも豪華なレジュメに仕上がっています。

最近NHK柏の「肖像画の世界」の講義のレジュメを、友人からいただき勉強を始めましたが、この中で、チャールズ1世が登場。ロイヤル・アルバートホールに展示されているラファエッロのタペストリーの下絵は、彼が買い取ったとの事、思わず膝を打ちました。私はロンドンで働いていたこともあり、アルバートホールにも行っているのですが、見逃しています。当時は関心がなく残念でしたが、今になってではありますが、このような気づきを頂けて本当に嬉しいです。先生の講義中は「タペストリーの工房が、ラファエロへの尊敬から、下絵を元通りに貼り合わせていた」ことに大いに驚いたのですが・・・・。

Cappella Sistina

その③去年の「世界の美術館のシリーズ」も、大変面白かったです。私には現代美術はやや難解でしたが、少し近づけた気がしています。素朴派を知ることが出来たのは嬉しかったです。何とも綺麗なので、カレンダーを作り先生にもお渡ししてしまいました(冷汗)。最近、原田マハの「楽園のカンヴァス」をルソーやピカソの絵をダウンロードして眺めながら読んだのですが、彼も素朴派に入れられているんですね、とても興味深く読めましたのもこの講座のお陰です。

 

・・・と言う訳で(他にもカラヴァッジョや、コレッジョ、などなど幾つもあるのですが)、今更ながらではありますが、これらの感動はSABA先生の教えを受け、得られたものだと気付きました。これは一度お礼のメールを差し上げねば、と思った次第です。お忙しいところ、長々とすみませんでした。

現代美術館

いえいえ、こちらこそ!お礼を言います。私が言いたいことは、有名な作品や芸術家ばかりに気を取られないで、自分自身のまっさらな感性で見てどう思うか、感じてほしい!ということと、分かったと思わないでほしいということです。私はどんなに有名な美術史家でも間違うことはあるし、制作しない人が制作する人のことを分かるはずはないと思っています。私たちにできることは、純粋に作品を眺め感じることと、理解したいと思うなら、歴史書思想書、聖書や技術など凡ゆる種類の本を読むことだと思う。それで間違いなく少しは近づける。全く違った時代や社会の人の考えを、現在の日本人の感覚で理解することが間違いだと知ってほしいと思うのです。でも逆に言えば、どんな時代でも共通する感情や感性もあると思うし、それを知るのは喜びです。皆が、自由に美術を楽しめますように💕

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ