天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【工芸】挿絵本とは絵の付いた本ではない

先に紹介した「西洋挿絵見聞録」を中心に自分用にメモします。 ●中世の写本 中世の写本 一点物。手書き。大型大重量、革(パーチメント・ヴェラム)、絹、宝石・貴金属・象牙。エマイユ、象嵌、モザイク 、他 キリスト教、修道士による ●1450年代に活版印刷…

【本】西洋挿絵見聞録:病跡学、鯰、エログロなど未知のもの

題名:西洋挿絵見聞録 製本・挿絵・蔵書票 著者:気谷誠 出版:2009、2010年 アーツアンドクラフツ すごく変わった本だった。忙しかったらとても読めなかったと思うけど、コロナのため収入は激減した代り時間はあるから、普段読めない本を読んでいて、その内…

【語学】語学勉強は必要か?

首都大学東京のオープンユニバーシティで講座が持てるようになってから、ただの一度も授業がなくなった事はありませんでした。それが半年以上開校されないなんて、恐ろしやコロナウィルス!因みに私の受け持ちは「西洋美術史」と「イタリア史」です。世界遺…

【美術】技法の紹介サイトと春の美術講座

首都大学東京オープンユニバーシティの3月講座では、すっかり授業ができなくなったけど、「美術と共にキリスト教を知る」授業は秋以降に引き続き行います。今回紹介しようとしてできなかった「ルツ記」やイエスの喩え話はもう用意してあるヨ。 ルドン 4月…

【美術・芸術】映画と芸術性またはルイス・ブニュエル

コロナのお陰で出かけられないから、部屋を片付けたり、本を読んだり、映画や海外ドラマを見てます。隠したいけどゲーマーにもなるので気休めに筋トレやストレッチもします。 スペイン語のポスター 日本では当初公開されなかったブニュエルの映画が2017年に…

【美術館・博物館】日本の美術館と私

コロナウィルスの影響で、兼ねてからの計画だった大塚国際美術館行きもダメになりました。3月末だったので希望は捨ててなかったんだけど、飛行機の払い戻しも今日決まり、一緒に行く人も不安を抱えたままでは、ゆっくり美術も堪能できないということで流れ…

【本】カルヴィーノ、イタリア、安野光雅

私は学生時代からイタロ・カルヴィーノの大ファンです。先日、今まで知らなかった彼の本を発見しました。それがこの「カナリア王子」です。児童書なので気付かなかったのです。でも読んでみると、流石の内容でものすごく面白かったので、ぜひ大人の方にもお…

【本・美術】異能の幻想画家ジョン・マーティン

題名:ジョン・マーティン画集 出版:2009年河出書房 初版:1995年ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ 私が普段授業する、首都大学東京OUもついに休校になったので、授業できない代わりに頑張ってブログ更新します。 John Martin 「異能」って言うだけでワ…

【旅】運不運と死の観念

ミラノの友人とやりとりしていて、ミラノにはまだコロナウィルスの患者が出ていない事を知った。日本のテレビを見ていると、どのニュースにもかの有名なミラノ司教座聖堂が映り出されていて、いつもはごった返す広場はがらんとして居る図だ。全くミラノはウ…

【芸術】映画とお金と芸術性

芸術全体に言えることだけれど、映画はあらゆる芸術の中でも最も予算を無視できないもの。制作に関わる人の多さだけでも他のジャンルとは異なる。よく「総予算〜!」と言ってお金のかかったことがまるで良いことのような宣伝文句を聞くけれど、これは作品の…

【芸術】永遠のテーマ

首都大学東京OUの講座「展覧会をもっと楽しく」が無事終了しました。 無事っていうより、考えていた以上に良い内容だったと自画自賛しています。 Milano, 2019 講座初日に、東京富士美術館の「ルネ・ユイグの眼差し:フランス絵画の精華 大様式の形成と変容…

Buon Anno! あけましておめでとうございます

求めよ さらば与えられん 尋ねよ さらば見出さん 叩け さらば開かれん (マタイ第7章7節より) Matteo Civitali, Lucca 去年ルッカで撮影した、マッテーオ・チヴィターリ作、救世主の大理石彫刻です。何度も撮影していますが、季節や時間、その時の私の心…

【展覧会】小旅行に美術館へ一緒に行こう「フランス絵画の精華」

https://www.ou.tmu.ac.jp/web/course/detail/1942I002/ 首都大学東京オープンユニヴァーシティの、私の講座のサイトです。 Claude Lorrain, 部分 私は首都大のOUで二つの講座を持っていて(それ以上は持てない規則)、南大沢と飯田橋で授業をしています。南…

【旅】旅先でお財布を買う?

じゃ〜ん!作ってみました! 勢いガマ口! 幼稚園か小学校かって感じのガマ口です。もちろん1日で作った!フェルトの有り合わせで、手がうまく動かなくなった老齢のマチスが愛した切り絵をイメージ!!あとはバスキアの勢い(彼の絵は吠えてたり怒ってたり…

【旅】海外での携帯やwifiについて

海外旅行へ行く時にwifiを空港で借りて行く人がいる。今頃それはない。重いし使える容量は少ないし、日数で契約すると思うから1週間もいればかなりになる。 Simカード表 私は現地へ着いたらできるだけ早く携帯のSimを入れ替える。30ユーロ前後で一ヶ月使用可…

【旅】予定を決めない気まま旅

旅行はturismo(英語のツーリズム)で観光を想像する。小旅行で大人数、ガイドに連れられて観光地を訪ね、特別有名な場所を数カ所訪ねて、特別な目的があるわけではない。そんな感じ。それに対して旅はviaggioで観光の場合もあるけれど、どっちかっていうと…

【イタリアの旅】季節について考える

旅をするにはいつが良いだろうか。 ルッカの巡礼資料館の映像 旅と天候はとても関係がある。いくらでもお金と時間のある人は良いけれど、普通の人は限られた時間と経済でやりくりするから、季節は重要だ。どの国でも良い季節というのがある。イタリアは伝統…

【語学】旅先での言葉。最悪な時も楽しい時も。

旅に言葉は必要だろうか? Vigevano 躊躇せずに言おう。絶対必要だと。 言葉のできない人はツアーに参加、もしくは誰かできる人と一緒に行く方がいい。絶対に良い!どんな目にあっても良いなら、別だけど。 Galleria, Milano 飛行機の出発が遅れて乗り換えら…

【旅】イタリアの薬局は薬草屋さん?

イタリアへ行く度に寄る場所に薬局があります。薬局といってもマツキヨとかとは全く違って、すごく素敵な場所だったりします。フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラの商品は日本でも購入可能ですが、馬鹿馬鹿しい金額なので日本で買ったことはありませ…

【イタリアの旅】世界遺産や地獄めぐりのトスカーナ

毎年行っている秋のイタリアの旅ですが、2019年はロンバルディーアの旅を終えた参加者と入れ替えにトスカーナを旅する人たちがミラーノへ到着。訪問地の一口紹介をします。 Museo, Pisa Milano(ミラーノ) アリタリアだと大抵ミラーノ到着は夕方遅くになり…

【イタリアの旅】2019年の街:修道士から王室、それにお買い物

全てのイタリアの州を一応回った(カラーブリアだけはちゃんと観ていません)私の今年の旅は、原点でもあるミラーノとトスカーナでした。 Pavia ミラーノは初めてイタリアへ行った時に一ヶ月滞在した街だし、トスカーナは研究論文のテーマであるルッカがある…

【博物館】ブレラ絵画館の金曜コンサート

私は西洋美術史をずっとやっているので、出来うる限り博物館、絵画館、聖堂などへ入ります。普通に入れないところも頑張って交渉します。2019年秋のイタリアでも再訪や初めても含め、あちこち訪問しました。 ミラノはブレラ絵画館で 写真はブレラ絵画館です…

【博物館】ヴィジェーヴァノと靴博物館

お買い物は全くしない。もしくはほとんどしない、という人もいる。もちろんそれぞれの勝手。私はお買い物が大好きなので、必ずイタリアで買ってくる。服も靴もイタリアのデザインの方が好きだし、変な体型の私にはその方が合うから。 イタリアを象ったブーツ…

【旅】スーツケース:どんなのがお勧め?

今回は初めて真ん中で二つに分かれるタイプのハード・スーツケースを持って行きました。失敗だった。めっちゃ使いにくい。世の中で最も使われてるタイプで、すっごくお買得(4千円しなかった)ので買ってみたんだけど、もう使わない。仕事で重い大型本を持…

帰国、モスクワのカプセルホテル、台風、ラグビーそして写真

帰国し、「命の危険」なんて言葉が繰り返される台風も、我が家は有難いことに何事もなく過ぎ、やっと落ち着いたのでまた書き始めます。千葉を始め、大変な目にあった方々のために、正しく税金が使われることを期待します。 生涯追い続けるヴォルト・サントと…

【美術館】ブレラ絵画館は西洋美術の最高峰

ブレラ絵画館公式ウェブサイト https://pinacotecabrera.org/ イタリア語ですが写真も沢山あるのであちこちクリックすれば作品や様子が分かります。 Bacio イタリア語ではmuseo(ムゼーオ)とpinacoteca(ピナコテーカ)と大きく分けて美術に関する施設が二…

【西洋美術】ルネサンスの曙;知られざる最高の彫刻家たち

美術が好きだという人、西洋美術、イタリアは特にいいねとか言う人に「どんな作品が好きですか?」と質問して、答えてくれる人はほとんどいない。たまにミケランジェロが好きとか、やっぱりダヴィンチでしょ、とか言う人がいる。 Matteo Civitali 私はそんな…

【西洋美術】モザイクに見る技法と分別、さらには芸術

今は展覧会へ行くと、展示作品の解説欄に「ミクスチャー」とよく書いてあります。要するに今までの定番の技法では説明できない、様々な技法の混合、さらには謎の新しい技法などを指して言います。特にエルンスト以降、油彩、アクリル、版画の様々な技法さら…

【イタリアの街】中世ヨーロッパの国際的大都市ピサとルッカの重要建築

ヨーロッパ建築関連の本を手にすれば間違いなく大きく扱われているのがピサの司教座聖堂とその一帯の空間「奇跡の広場」。一番新しく圧倒的に奇妙で世界の七不思議の一つになる程有名なピサの斜塔は、その一角にある。奇跡の広場を訪問したことがある人は世…

【イタリアの街】かつてはブルジョワの長期滞在型治療、今はエステの街のモンテカティーニ

マドンナの究極の美容ブランドの源がモンテカティーニ・テルメのものってことで、カタカナで検索するとそんな内容が出てくるけれど、ここはヨーロッパで最も有名な温泉治療地。 MontecatiniTerme テルメは温泉という意味なので〇〇テルメという地名はあちこ…

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ