天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【本】疾病の歴史と私たちの今

昨日三回目のワクチンを打ってきました。周囲の人は大抵、多少の頭痛やだるさ、微熱など出たのに、私は至って平気というか、多少だるいのは日常なのでほとんど変わりません。平熱が酷く低いし、本とコンピューターの生活様式からも一年中身体が凝ってるので、なんとなく頭痛いのも、全然嬉しく無いけど慣れっこです。

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人体解剖のルネサンス

そこでワクチンの副反応と効能について、報告書をいくつか読んでみたら、思った通り副反応がひどい人ほど、抗体ができている可能性が高い(抗体の量が多い、の方がいいのかな)という傾向が示されていました。当然だね。ワクチン打つ前はいろんな鎮痛剤を揃えて、読む本も考えて、仕事の時間も調節したのにほとんど無意味だし、何より、効能が多少なりとも低いというのは、なんか損した感じ。楽でいいじゃん、何言ってんだ、と言われそうですが、二、三日具合悪いくらいなら、抗体がしっかり身についた方が嬉しい私なので、残念な感じなの。

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イタリアの黒死病関係資料集

とんでもない戦争が起こっている今(いつだって戦争状態の地域はあるのに、不公平だという人の気持ちもよくわかるけど、第三次世界大戦に発展しそうなとんでもなさは、今回突出しているので、毎日媒体に取り上げられるのも当然だと思う)命の不確実性が実感されます。

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進化論を楽しむ本

戦争、ワクチン体験、進化論、コロナ(COVID)、ペスト関連資料などが頭の中で重なって、不条理な命について思いを巡らせました。何度もワクチンを打ってもコロナに感染する人もいるかと思えば、ペスト患者を散々看護しても感染しなかった人など、かなりの個体差があるのが事実。

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人類滅亡後の動物図鑑

子孫を絶やさないため、強い個体が生き残るのが当然だという考えはそう単純では無いようで、弱肉強食系の大きくて残酷な生物が常に勝つ(生き残る)ようにはできていない。だってもしそうなら、私のような筋肉も肺活量もない人間は真っ先にコロナにだって感染しそうだけど、こんなにワクチンに無反応ってことは実際に感染しても無症状に近いのではないかと、容易く想像される。

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ペストと都市国家

ワクチンに猛烈に反対してる人は、ワクチンが意図的に軽く疾病に感染させることだっていうことに、怒ってるのかな?でも幼稚園や保育園でいろいろ感染しておけば、大人になってから感染しても酷くならないっていうのは、結構常識じゃないのかな?

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感染症と世界史

ある進化論の考え方では、子孫存続のために、感染症(疾病)や暴力などに対して、意図的に個体差があるように仕組まれているという。みんな筋肉隆々で血気盛んな村があったとして、その村はいつまでも存続しそうだけど、意外に全滅するかもしれない。突然襲ってくる命を脅かす要因はさまざまだから、それに対応できるようにさまざまな人間をDNAは造ってるんだってさ。それだから虚弱体質でも長生きする人がいるんだね。

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苦難と心性

石坂先生のペスト関連資料には、ペストに対して中世の人々がどんな反応をしたか具体的な例が沢山載っていて、世界初の衛生管理者たちがいかに努力したかが伝わってくる。隔離や消毒の他に、集まって飲んだり騒いだりしちゃいけないと何度も言ってるのに、民衆はいうことを聞かずどんどん感染する。それってマンボウとか言ってる現在と全然変わってなくて、びっくりする。唯一の違いがワクチン。なんか取り留めないこと書いてすみません。疾病関連の本は、子供の本から論文までかなり沢山あるし、進化論系の本はまともな本からとんでも本まで色々ある。今だからこそ身に染みると思うので、一冊くらい手にしてみてはいかがでしょうか。

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