天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

Entries from 2023-01-01 to 1 year

【スポーツ・美術】今年の総括

私はスポーツ観戦が大好き今年は観戦しがいのある年でした。スポーツと美術といったらまず浮かぶのが、あまりにも有名なミュロンの円盤投げ。ギリシャ美術を体現する理想美(真・善・美!)の概念をここに見ることができます。といってもこの写真はミュロン…

【ドラマ・映画】今年の総括

今年もいっぱい映画やドラマを見たので、印象に残ったものをちょっと紹介。今年っていってもいつも通り、私が今年見たっていうだけで、今年の作品とは限らないの。ごめん・・・。タイトル写真は美術史の講師としてはやはり美術作品でってことで、ジョージ・…

クリスマスの挨拶と「御聖誕」

Buon Natale ! Geertgen tot Sint Jans クリスマスの挨拶をヘールトヘン・トット・シント・ヤンスの作品で贈ります。 デザインの仕事はまだ残っているけれど、今日で今年の授業が全部終わりました。授業に参加してくださっている方々、私の独り言(このブロ…

【西洋美術】フェルメールと贋作について

ずーっと前に感想をいただいていた前回についての感想です。今になってごめんなさい。 Meegeren 「メ―ヘレンとフェルメール」今回も有意義にして面白い講義ありがとうございました。特にメ―ヘレンの生涯はまるで講談のように波乱万丈で楽しみました。メ―ヘレ…

ラグビーW杯が終わって考える美の感覚

昼間に起きました。完全夜型で早起きが大の苦手ではあるけれど、流石に昼に起きるのは、ラグビー・ワールド・カップのせいです。やっと決勝が終わって普通の生活が戻ってくる。明け方の4時に起きて二度寝する生活は終わり。私はスポーツ観戦好きだけど、中…

【美術】東京の美術館

「東京の美術館」という4回だけの講座を初めて夏季講座にしました。非常にたくさんの方が参加してくださり、大教室での授業となりました。対面ということもあったのかもね。その授業に関して感想をいただきましたので掲載します。Hさんは、私が放送大学で対…

【旅】ヴァチカン美術館:スダール症候群と「書いた。愛した。生きた。」

友人Mがヴァチカン美術館征服の旅へ行く前に、思い出を書いています。今回はスタンダール症候群について。 地図の廊下の天井 「スタンダール症候群」のスタンダールは、1783年にグルノーブルに生まれたフランス人の小説家(評論もある)。今では文学史の重要…

【旅】ヴァチカン博物館:グレゴリウス・エジプト美術館

友人Mがヴァチカン博物館へ行くので、思い出を書いてます。最初の方に出てくるグレゴリウス・エジプト美術館へ。 白と黒のコントラストが美しい 初めて見た時、無知な私は、こんな素晴らしい古代エジプトの作品が集められているのに単純に驚いた。でも考えて…

【旅】唯一無二のヴァチカン市国:博物館ルートと序章

ローマの旅の思い出を美術を中心に書いています。恐るべき内容のヴァチカン博物館の全体像を描いてみることにしました。だってあまりに壮大で、目的と体力と時間によって考える必要があるからサ。で、全体像がこの地図。入り口と出口は決まってるんだけど、…

【旅】唯一無二のヴァチカン市国:絵画館

ローマに行く友人のために、ローマの思い出を書いています。と言っても完全に美術紹介中心の内容だけど。今日はヴァチカン絵画館について。絵画館なので絵を見せたくて写真が大きいけど、暗いので質が悪く残念。 Niccolo` e Giovanni ヴァチカン博物館はイタ…

【旅】終わりと始まりのローマ:聖女コスタンツァ霊廟

ローマの旅の思い出を、美術を通じて書いています。第一回はチェリオの丘の円形聖堂について書きました。今日は円形続きだけど霊廟です。昨日との関連は円形ってだけじゃなく、穴場ってことも同じだし、古代ローマと初期キリスト教美術の時代って事も重なり…

【旅】世界の驚異ローマ:聖ステファノ円形聖堂

もうずーーーーーーーーーーっとイタリアへ行ってない。習慣が急になくなって、しかも、もしかしたら二度と取り戻せないかもしれないと思うと寂しくて、心が弱ってしまう。そんな中大切な友人Mさんがローマ&ナポリ行きを決めたので、それに合わせてローマの…

【芸術】講座参加者S氏の感想

Sさんは、想像する限り、私とは大違いの大変羨ましい余裕ある人生を送られています。アメリカやイギリスでの駐在経験が元の性格に加わってか、芸術に広く関心があり、ずっと講座に出てくださっています。いただいた感想をそのまま掲載します。 ケルズの書 SA…

セロリ爆食いの危機と美術

いつも西洋美術に関係することばかり書いています。それが本業だし、一番好きなことでもあるから当然です。でも今日は、滅多に書かない個人的な日常の話をします。 Paolo Uccello 運動不足が激しいし、絶対痩せないと好きなワンピースも着れないと思って、少…

【美術】フェルメールと贋作事件

雨ばっかりで鬱陶しい日々!授業の調べ物と資料作りが忙しいってこともあって、何日家から出ていないかわからないくらいになっちゃった私です。 絵画芸術 夏期都立大オープンユニバーシティの講座募集が始まっています。前回、開講できない講座があり考えた…

【美術】映画と美術の授業は進行中

おっ久しぶり〜!いまだにコロナによって変化した生活(仕事他)に慣れてないんだな〜っと、思う今日この頃です。すっかり怠惰になったというか、引退気分というか、稼がなきゃと頑張るというより好きに生きよう(元々めちゃくちゃそういう性格なんだけど)…

【意見・感想】西洋美術愛好会

(前回に引き続き、講座に参加してくれているSさんからいただいた感想を掲載します。カッコ内は私のコメントですが、あとはいただいたままです。) 先生のブログで、昔バンドをやっていたというくだりがあって、なるほどこの講義の人を楽しませるライブ感の…

【意見・感想】西洋美術愛好会

(今月終わった講座の感想を何人かの方にいただきましたので掲載します。以下、いただいたそのまま。括弧内は、私のコメントです。) 今回の講座でも興味深い授業をありがとうございます! アーカイブですべての回を視聴しています。 Kokoschka ウィーン分離…

【講座】ミステリアスなアート

早々とオンライン春講座「映画になった西洋美術」が開講決定しました。ところが残念なことにまだ水曜日の対面授業が決定していませんので宣伝させてください。 Magritte 対面授業はコロナ前までは盛況でしたが、コロナになって長い間中止になりました。しか…

【展覧会】佐伯祐三:自画像としての風景

重要文化財の明治生命館が長い修復を終えて見学できるというので、以前から行きたかったのが、Mさんのおかげで昨日やっと実現。行動力抜群のMさんはステーションギャラリーの半額チケットも持っていたので「佐伯祐三展」も行きました。 郵便配達 水曜日の午…

【芸術】ダンス

芸術というと真っ先に美術を思い浮かべてしまうのは、私だけでしょうか?もちろんいろんな人がいるに決まっていますが。何しろ、音楽、文学、建築、演劇、映画、装飾や服飾など、芸術には様々な要素がありますから。ダンスも芸術と関わりがあるでしょう。 Gi…

【展覧会】庭園美術館でアール・デコ

昨日、ひっさしぶりに庭園美術館へ行きました。 展覧会の写真は完全禁止だったので、出品作については公式サイトを見てください。 パンフレット お天気最高で梅などお花も咲き、昨日の庭園美術館訪問はとても良かったです。展覧会については開催前から知って…

【展覧会】エゴン・シーレ;ウィーンが生んだ若き天才

明後日、東京都美術館で開幕する展覧会のエゴン・シーレの紹介 どうでもいいと思うかもしれないけど、展覧会のサブタイトルにまず引っかかった。「若き天才」ん?天才は生まれながらのものだから若いも年寄りもない、と言うのが私の認識です。授業内で、才能…

【感想】都立大OU:ファッション

明後日から都立大OU(オープンユニバーシティ)の対面講座でも「夢見るファッション」が始まりますが、一足先に終わったオンラインで受講してくれたSさんの感想です。そのまま掲載します。 イギリス女王も疲れる 今回の講座でも毎回興味深い内容をありがとう…

【ドラマ】イタリア発ドラマ・日本で視聴可能

日本で視聴可能なイタリアのドラマを紹介しています。 Panicale 原題:Signora Volpe 邦題:英国諜報員シルヴィアのイタリア事件簿 例によって邦題は説明的でカッコよくないけど仕方ないか。イタリア語のタイトルは「シニョーラ・ヴォルペ」で、意味は「狐夫…

Auguri! おめでとうございます

明けましておめでとうございます。Buon Anno! = New Year! Filippino Lippi 部分 イタリア語や英語に逐語訳したら変なことになるので、ここで「明ける」という言葉の意味を考えてしまいました。 「大辞泉・明鏡」によると「明ける」は1)夜が終わって朝にな…

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ