天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【挨拶】Buon Anno! 新年のご挨拶に替えて

街を歩くと、活気を取り戻しつつあるというのはニュースばかりで、実際には閉店したお店がいかに多いか痛感します。昨日も近所のメディカル整骨院の看板が亡くなっていました。私の地元、国立も街が様変わりする程変わりました。

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Matisse, 1951, Museo Vaticano, Roma

私もコロナで大打撃を受けた一人ですし、もう以前のようには戻らないと思います。すっかり引退気分というか、細々と仕事を続けてはいますが、毎日忙しかった以前とは全然違います。個人教授のイタリア語の生徒さんたちは、みんな家が遠いのでほとんど休止状態です。語学は続けることが何より大切だから、一旦離れると、気力的にももう一度始めるのは大変だし、年齢的にもう勉強が辛くなってくる人も少なくありません。そんな中、緊急事態宣言以来会っていなかった生徒さんから、来年は会いたいと連絡がありました。彼女は若いってこともあるけれど、もしかしたら再開しようかなって思ってくれただけでも嬉しいし、何より私に会いたいと言ってもらったことに勇気付けられました。

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Matisse, 1951, Museo Vaticano, Roma

わずかしか授業がなかったこともあって、2021年の授業はいつもよりさらに渾身の内容だったと思います。熱烈な感想も沢山いただきました。でもそれだけに専門的過ぎのきらいもあったので、2022年は気楽に楽しく、旅する気分でやりたいと思います。マティスの作品のように、とはいかないですが真剣でありながら、どこかふざけているような、でも質の高い、そんな内容を目指します。

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Musei Vaticani, Roma

でも、ヴァチカン美術館の天井のように、寸分の隙も無く高い技術で完璧に描かれながらも、誰にも注意を振り向けてもらえない画家達、彼らのことも大切にしたい。そんな幅のある授業にしたいと思っています。

みんなのおかげで来年の授業も早々と開催が決定しています。受付はもう終了なんだって、私はいつだって大歓迎なんだけど、事務の人のことも考えないとね。

 

Buon Anno e Auguri per tutti !
全ての人に良い年が来ますように

 

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