天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【スポーツ・美術】今年の総括

私はスポーツ観戦が大好き💕今年は観戦しがいのある年でした。スポーツと美術といったらまず浮かぶのが、あまりにも有名なミュロンの円盤投げ。ギリシャ美術を体現する理想美(真・善・美!)の概念をここに見ることができます。といってもこの写真はミュロンが作った作品の複製。ローマ美術はギリシャ美術をさかんに複製したので、ちょこっとずつ違った作品が沢山あります。この作品が素晴らしいのは、ほとんどどの角度から見てもカッコいいところです。

Myronの複製

今年は毎日朝から晩まで大谷オオタニOhtaniの一年でした。彼が突出したウルトラスーパー大選手なのは誰の目にも明らかだろうけど、それにしても他の選手もいるのに報道が偏り過ぎだといつも思います。

↓中世のスポーツについての論文でこんな写本を見つけました。なんか野球?につながりそうじゃない?ホッケーとかラクロスとかクリケットとかもあるけど。

codex medievale

例えば井上尚弥だって世界のスポーツ史に残るような選手。ボクシングは野球と違って世界中の多くの国でやっているから、欧米にも彼のファンは大勢いるくらい。それなのにぜ〜〜〜〜〜んぜんテレビでは取り上げてくれない。地上波で試合を放送してほしいと思うのは私だけじゃないはず。

BC.336-5

この紀元前336〜5年に作られたという壺絵は、どう見てもボクシング風景。流石ギリシャ人は健全な体に健全な精神が宿るだけあるなーとか思ったりもするけど、ソクラテスは全く鍛えてなさそうだから、一概には言えないね。言えることはみんな素っ裸ってこと。これは凶器を持ってたり、何かずるいことしてないかどうかはっきりさせるためにやっていたことだけど、日本のお相撲がそれに近い形だと思うと興味深い。

次の絵はよく見るとかなり謎なんだけど、スポーツ場面らしい。先の写本と違って中世後期です。

Medieval sport

今年はサッカーもバスケットも見たけど、連続でラグビーを見て、やっぱり私はラグビーが一番!と確認しました。サッカーもバスケも見てる時は面白いんだけど、ラグビーの面白さには敵わない。ラグビーは笑える!なんかそんなこと言ったら不謹慎かもしれないけど、笑える😁 パンツ脱げそうになって敵を引き摺りながら猛進したり、動物がぎゅうぎゅう集まって互いに上に乗りまくってるみたいになりながらも、必死にボールを守ってる。と言っても抱えちゃいけないから難しい。大体たまーーーーーーーーーーに小さい人もいるけど、基本、バスケもバレーも水泳も背が高くないと話になんないから、多くのスポーツは似たような体格の人たちが戦うのに、ラグビーでは、スクラムハーフフォワードの半分くらいの大きさだったりしてそこも面白い。走るスポーツは大抵体重絞った人たちがするでしょ。筋肉だけど太りまくった巨体で、グワーーーーーーーーーーッと走るのもラグビーならではで爽快。ということで、私の今年のスポーツ一番はラグビー・ワールドカップでした。それにしても、私が子供の頃はサッカーもラグビーも日本人が世界で戦えるなんて想像もできなかった。大リーグで一番強いチームの主力に日本人が複数人いるなんていうのも信じ難いことだった。

Brughel

冬にぴったりのブリューゲルカーリングでお別れします。1631年の作品の一部です。


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