天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【料理】9000年の歴史を持つ小麦でパンを作ってみた

私にしては珍しく料理の話!

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ルッカ料理フェス

ルッカ(イタリアはトスカーナ州の街)を知ってる人なら、このポスターを楽しめるはず。ルッカで最も印象的な(世界中でも珍しい)古代ローマ帝国時代の競技場アレーナ広場(ローマのアレーナはコロッセーオ)をお鍋に見立てた料理フェスのデザイン。Bollito(ボッリート)は沸いた、煮た、茹でたという意味で、1月26日(日曜)に食べられるものの筆頭にfarro(ファッロ)がある。全てルッカの特産品でちなみに38ユーロだから安くは無いね。ファッロは日本では「スペルト小麦」の名で定着させようとしているみたい。

日本語で理解するには上のサイトをお勧め。それによると9000年以上前に地中海の人たちが食べてたことが分かってるんだって!その小麦を北海道で栽培してて、この小麦を使ったイベントに参加する予定でした。

ところが前日に夜更かしして微妙に具合が悪く、普段なら行ってたけどこのご時世だからお友達に代わって行ってもらいました。国立の素敵なイタリアンレストランでのイベントで、楽しんでくれました。

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Farro

2時間弱って話だったんだけど実際には倍はかかったみたい。だってひたすらシェフが一人で練って、参加者は美味しく食べたらしいから。で、お土産にその小麦粉をドーンといただきました。普段はしないパン作りに挑戦。正直いうと、私の母は元栄養士でお料理は得意、パン作りも一時ハマってたからほとんどやってもらった!

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ファッロのパン作り一回目

レストランで頂いた資料による材料は:

スペルト小麦140グラム、中力粉60グラム、バター20グラム、、塩3.5グラム、塩麹18グラム、イースト2.5グラム、水120グラムで、一次発酵のみ、焼き時間210度12分です。

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スケッパーを使いました

でも母は慣れてるし、ネット調べもし、レストランのお釜と家庭のオーブンの差を考えて変更。2次発酵させ温度と時間も調整しました。 

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二回目のパン作り

綺麗に丸めるのって技がいるよね。私が丸めたのは載せません。結果として、しょっぱ過ぎる気がしたので、二回目は塩麹を入れないでやりました。このために塩麹買ったのに、要らなかった。それから低温自然発酵で一晩寝かせて作ったのが二回目。普通のパンよりもちっとしています。どうしても下が潰れてしまいます。

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ファッロのパン作り三回目

三度目は、ますますレシピを変更して塩と水を少なく、形も丸くしないで焼きました。いつもパウンドケーキなど焼いてる容器です。微妙に他の材料も分量を変えています。焼く前に卵のキミを筆で塗って艶も出します。

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ファッロのパン作り三度目の出来上がり

結果、一番上手にできました。下もほとんど潰れていませんし、全くしょっぱくありません。後悔したのは、全部使い切ってしまったこと。もう一回分残して、バターの代わりにオリーブオイルでやってみたかった。さらに美味しくできた気がします。

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最も基本のレシピ

なぜ料理好きでもない私がこのイベントに参加しようとしたかというと、ファッロはルッカの特産品で伝統料理だから、現地で何度も食べているの。向こうではパンではなく、基本は上の写真のように、具沢山スープのような、昔風に言えば日本のおじやのようなもので、私はこれが大好きです。

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ファッロを使った料理

他にパスタに成形したり、揚げたり、小麦なので色々作れます。普通の小麦より何倍も栄養があってアレルギー対策にもなります。興味のある人はググれば色々レシピが出てきますし、イタリアのようにはいきませんが国立のイベントでも紹介されたように日本産の商品もあります。

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ルッカ近郊のガルファニャーナ産ファッロ

イタリアにはいろんな種類の商品がたくさんあって、価格も品質も選べますし、もし本当に気に入って大量に欲しいなら、直で(イタリアから)買う方が経済的かも・・。

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ファッロ料理を出すガルファニャーナのレストラン

あー、いつまた行けるんだろう?!でも行ったら当然ルッカには行くし、ルッカ周辺のガルファニャーナにも愛するロマネスク聖堂や古代美術など色々あるからできるだけ長期滞在して、そのおりには間違いなくファッロをいただきます。

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古代の女神

発掘された古代の女神の目が、ファッロなんだって。イタリア語の記事を読みました。私にはよく分からんけど、多分、ものすごい吊り目がファッロの目だと思う。要するに豊穣のお守りだ。これを読んでアレルギー対策の食品に興味のある人は是非、色々調べて欲しい。食べるのが好きな人、イタリアが好きな人は、一緒に食べに行けたらいいね💖

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