天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【展覧会】エゴン・シーレ;ウィーンが生んだ若き天才

明後日、東京都美術館で開幕する展覧会のエゴン・シーレの紹介

どうでもいいと思うかもしれないけど、展覧会のサブタイトルにまず引っかかった。「若き天才」ん?天才は生まれながらのものだから若いも年寄りもない、と言うのが私の認識です。授業内で、才能は生まれながらのものと言う話をよくしてるから。

ルイ・ガイユマン著

1%の才能と99%の努力って言葉もあるし、そう言う人も中には居るだろうけど、私に言わせればその人の才能は「努力できる」とう才能なのだ。努力したくてもそれ程できないのが普通の人でしょ。芸術、しかも美術の場合、才能は非常に大きいけれど、ただ高いデッサン力や色彩感覚を持っているからと言って、必ずしも素晴らしい芸術作品が生まれるわけではなく、逆に、天才的な素描力や構図の感覚など持っていないのに、人を感動させる作品が描けたりするところが難しい。

坂崎乙郎

シーレの場合、天才かどうかはともかく、かなり生まれながらの才能があったことには同意する。素描力も色彩感覚も優れているし、独自のモノ(オリジナリティ)を持っている。若きって、サブタイトルにあるのは28才で死んだからだと思うけど、それは特に劇的な死に方ではなく、非常に大勢の人の命を奪った歴史上有名なスペイン風邪によるもの。

水沢勉著

日本では30年ぶり2回目になる大展覧会なので、現在私がやっている都立大OU講座「西洋美術愛好会」で取り上げた。いつものように書籍をチェックすると、想像を遥かに超える本が見つかった。ただ表紙は違っても同じ著者の本を新たに出してる場合もある。本屋と図書館でできる限り頁を繰って、数冊読む。勿論初めて知ったわけはなく、以前の展覧会の時も知っているから、知識の確認と新たな見解を知るため。

黒井千次

芸術関係の本に関しては、図版を見るためには新しくて大判の本が当然良いけど、内容を深く知りたければ、むしろ古い本の方がいい場合もしばしば。何しろ最近は、文字数が少な過ぎて最小限のことしか書けないから。私が一番気に入ったのは1970年代に出版されたフィットフォード著のエゴン・シーレだった。歴史背景を無視する傾向の強い、薄い本と違って、歴史の流れの中で当時のウィーンの文化的背景とシーレの作品を関連付けている点が、まるで違う。

展覧会ガイドブック

私はエゴン・シーレが昔から大嫌いだから、この展覧会に行こうかどうしようか悩むところ。西洋美術の講師なんだから行くべきかとも思うけど、イタリアなら研究者はタダで入館できるけど、日本には学問を軽んじまくる恐るべき態度があって、全く割引がないのでそれも問題。シーレは当時からポルノ画を描く画家として蒐集家に人気があった。芸術と言わなければ犯罪でしかないような作品も数多く、今でもそのことに対する興味は多分にあるのだろう。しかし当然、それだけでは芸術家といえないし、先にも書いたように彼には独自の感覚があるし、残虐非道のサドと共通の、人の迷惑顧みず、やりたい放題の人間だからこそできる表現力がある。

表現主義エゴン・シーレ

マチスなら喜んで行くのにな〜。好きな人にとっては大好きっ!て感じの画家。

【感想】都立大OU:ファッション

明後日から都立大OU(オープンユニバーシティ)の対面講座でも「夢見るファッション」が始まりますが、一足先に終わったオンラインで受講してくれたSさんの感想です。そのまま掲載します。

イギリス女王も疲れる

 

今回の講座でも毎回興味深い内容をありがとうございます!

 

布を巻きつけていただけの時代から、実に様々な変遷をたどって現代まできたものだと、感慨深いものを感じています。

先のとがった靴やゴルジェーラ、船を乗せたカツラ、カニ歩きパニエなど、想像の上を行くものばかりで、驚きの連続でした。

 

スペインの黒いファッションについて、

宗教的な厳格さからくる黒、ということでしたが、いつ頃から取り入れられていたのか気になりました。

修道士の服装には黒が用いられているイメージがありますが、ローマ教皇が黒い服を着ているのは見たことがないように思います。

 

また、黒い衣装のAndrea Doria の肖像画もとても印象に残っていて、黒という色の与える印象の強さを実感しています。

 

第1回のDolce & GabbanaのショーとVogueの表紙は本当に素敵で、「夢見るファッション」そのものでした。

Vogueの表紙がこのように素敵な挿絵だったことは知りませんでした。他の作品も探してみたいと思っています。

 

SABA先生の講座では、毎回、知らなかった芸術家や作品との出会いがあり、自分の世界がどんどん広がっていくようで嬉しいです。

編み物をする聖母

彼女はお仕事があって、タイミングが合わないのですがオンラインのオンデマンドで好きな時間に見てくれています。コロナになって唯一の良いことが、オンライン講座です。対面はその時に時間が合わないと無理ですが、オンラインだといつでも見られるし、何度でも見直せます(期限付きですが)。海外から見てくれる人まで現れて、本当にネットの凄さを実感する日々です。彼女の出してくれた質問には授業の中で答えていきます。私の授業は常に基本はあっても、参加者との質疑応答により変化する内容です。どうぞ気軽に質問してください。Sさんに感謝💕

【ドラマ】イタリア発ドラマ・日本で視聴可能

日本で視聴可能なイタリアのドラマを紹介しています。

Panicale

原題:Signora Volpe

邦題:英国諜報員シルヴィアのイタリア事件簿

例によって邦題は説明的でカッコよくないけど仕方ないか。イタリア語のタイトルは「シニョーラ・ヴォルペ」で、意味は「狐夫人」。主人公の苗字とかかってるんだけど、キツネは「狡猾な人、抜け目のない人」って意味を持つのでそれもあるかな。それに何より「狐夫人」とかって近世の文学みたいな響きが素敵で、題名から色々連想させる。邦題は正反対で、そのまんま説明してくれるので連想力が失われる気がする。

Panicale,paesaggio

このドラマはイタリア語学習には向いていない。ほとんどが英語でたまにイタリア語が混ざる程度だから。でもイチ押しなのは、なんといっても景色!絶景!美しい自然の中にある中世イタリア都市の面影が堪能できる点で、本当に素晴らしい。

パニカーレの中央広場

イタリアとかいっておきながら、話はロンドンの最新のオフィスで始まる。当然英語。でもあっという間にイタリアへ移動する。しかもフィレンツェとかローマとかミラノとかヴェネツィアとかありがちなんじゃなく、思いっっっきり小さな村パニカーレへ。あとはシリーズ全部、基本的にパニカーレ周辺で起きるから、毎回中世都市の面影と自然美を堪能できる。

中央広場のバールで

パニカーレはイタリア中北部ウンブリア州のちぃさな街。で日本語でパニカーレって検索すると、カシミアのブランドも出てきます。もちろん一年中マイナーなヨーロッパの街を検索してるような人なら違うと思うけど。日本にも一部入ってきてるブランドで、めちゃくちゃイタリアらしいデザイン。男物のニットカーディガンをピタっと着ちゃうのが正しいイタリアの着方(公式サイトのモデルさん参照)。脱線終わり。

自然の孤島ってかんじ

こんな環境だから、家のすぐ裏が緑に囲まれてるんだけど、例えば同じヨーロッパの刑事物でも「信念の女刑事ヴェラ(邦題)」とか「シェトランド」とかの、美しいけど荒涼とした寂しい自然とは違って、流石イタリアの明るく穏やかな自然が安らぐ。ロンドン人にしてはイタリアっぽいおしゃれの主人公は旅行者のくせに、事件解決しまくりっていう、よくある地元警察の無能ぶりをアピールするドラマだけど、お料理探偵とかリフォーム探偵とかのど素人モノとは違って、元が国際的な諜報員だから説得力はそれなりにある。

Signora Volpe

警察もただ無能なだけじゃなくて、彼女がいい感じになる相手役の俳優は結構有名な性格俳優で存在感あるし、やっぱりファッションが日本では着られない服だらけで、楽しい。私はイタリアで生活してた時、ほとんど向こうで買った服だったんだけど、帰国したら着る機会がなくてすごく寂しかった。

tartufo

シルヴィアはボロボロになったルネサンス期の館を修復して住もうとしてて、羨ましいのなんのって。それはともかくその修復に来る村の親子とか、トリュフを掘り出す豚を飼育してるおじいちゃんの息子とか、とにかくあの小さな村の住人(パニカーレの人口は現在5600人)の多くが、ふっつーに英語を喋るのだけは受け入れがたかった。制作にはイギリスが関わってるし、欧米圏の観光客や、屋敷を購入しようなんていう人が増えちゃうんじゃないかって心配しちゃうくらい私には綺麗なドラマ。あれを信じてやって来た欧米人は英語が通じないのに騙されたと思うかな?

Masolino da Panicale

最後に一言。パニカーレっていうと私がすぐに思い出すのは、このドラマではありません。西洋美術研究者としては当然だし、中でもイタリア中世が専門なら誰でもそうだと思うけど、画家のマゾリーノです。マゾリーノは、ミケランジェロも通ったルネサンスの学校と言われた聖母マリア・デル・カルミネ聖堂の礼拝堂(今はブランカッチと呼ばれている)の画家です。マサッチョがあまりに有名なのでその影に隠れがちだけど、豪快なマザッチョに対して可愛くて優しいマゾリーノの絵が私は大好きです。

 

とにかくちょーお勧めドラマでした🌟

Auguri! おめでとうございます

明けましておめでとうございます。

Buon Anno! = New Year! 

Filippino Lippi 部分

イタリア語や英語に逐語訳したら変なことになるので、ここで「明ける」という言葉の意味を考えてしまいました。

大辞泉・明鏡」によると「明ける」は
1)夜が終わって朝になる。という意味で具体的には、晦日の夜が明け一日の朝がくる。夜の明けないうちに出発する。明けても暮れても遊び呆けている。

2)明るくなるという意味から、古い年や月が終わり新しい年や月(世紀)が始まるる。

3)ある期間が終わる。喪が明ける。梅雨が明ける。この場合「開ける」と同義語、と書かれていました。

 

漢字は苦手な私でも「明ける」くらいは知ってるつもりが、再確認できました。

漢字が多く正しく書けるかではなく、文章や言葉の意味を深く考えてゆきたいです。

www.ou.tmu.ac.jp

今年もありがたいことに都立大の講座もカルチャーセンターも年明け早々に始まります。どうぞよろしくお願いします💕

 

新たに【ドラマ】日本で見られるイタリア・ドラマ

おっ久しぶり〜。ず〜っと更新してませんでしたが、更新することにしました。このところhttpsへの対応がなされていないので「このサイトへのアクセスは危険です」って警告マークが出ていたでしょ。危険ですって言われたらアクセスやめる人、多くないですか?ということで別のサイトへ移った方がいいか、面倒だなーと悩んでいたので更新してませんでした。でもその問題は解消されたので更新。

DOC

新たに更新する最初は、年末年始に固めてドラマを見る人がいるそうなので、私の生徒さん達と、海外ドラマファン、イタリ好きへお勧めのイタリアドラマを紹介します。時期や契約で、見られたり見られなかったりするとは思うけど、一度日本で配信されたものはどこかで見られる機会があるので、そういうものを選んでいます。

NHKで放映中の医療ドラマです。吹き替えもあるけど、雰囲気を知りたければイタリア語版の字幕でどうぞ。かなりの上級者でない限り、イタリア語の勉強には難しすぎると思うけど、時々わかる一言会話はチラホラあるはず。

Milano

海外ドラマって大きく分けて三つでしょ。恋愛裏切りモノ(私が最も見ない内容)、犯罪モノ(深刻で怖い作りから、ホームドラマチックなものまで)、医療ドラマ(ジョージ・クルーニーも出てた「ER」が大流行の原点)、その他を入れると四つか。でこの「ドック」はとてもまともな作り。イタリアらしいセクシーな中年男が主人公で、特別変わった役作りではありません。例えば自閉症の天才医師というすごい設定の「グッド・ドクター」とか、ウルトラ悪の強い問題だらけの過激な天才医師「ドクター・ハウス」とか、カナダ発のシリア難民の「戦場から来た救命医」とかは特別な設定だけど、このミラノのお医者さんは彼らのような特殊な天才ではありません。普通に良い人で、ちょっと問題もあり、普通より見た目良さげってとこ。

もう一つは、今すぐは見れないかもしれないけど、大好きな警察もので「ロリータ・ロボスコ」。イタリアで最も有名な俳優の一人「モンタルバーノ」のルカ・ジンガレッティが製作陣にいる。「モンタルバーノ」はシチリアの話だったけど、「ロボスコ」はプーリャの首都バーリ。舞台が南イタリアっていうのが、人情刑事とかいうサブタイトルを日本人がつけちゃう所以。確かにってとこある。

Bari

最近、海外ドラマも圧倒的にアジア作品が多くて欧米ものは押され気味だけど、やっぱりヨーロッパが好きって人はぜひどうぞ。ヨーロッパ・ドラマの楽しみ方の一つに、風景や歴史建造物の美しさがあると思う。フランス絶景ミステリーなんて、内容は大して面白くないのに風景が素敵って、私なんかは思ったりする。反対に、せっかくパリなのに住宅地ばかりでほとんど美しい街並みが楽しめないとかいう番組だと、がっかりします。今日紹介した「ドック」は、たまにミラノのスカラ座やかの有名なドゥオーモが出てくるし、「ロボスコ」なんて毎回上の写真の場所でパニーノ(パニーニってのは複数形)かじったり、走ったりしててすごく綺麗。強くてかっこいい女主人公は、まともに美人だしね。

 

ちょっとづつ、他のドラマも紹介してゆきます。それでは今日はこの辺でチャオ!

【感想】参加者Sさんの嬉しい感想です

いただいたばかりの感想をそのまま載せています。

Richard Dadd

こんにちは。

「ミステリアスなアート」毎回アーカイブで視聴しています。

今回もとても興味深い授業をありがとうございます!

ほとんど知らない芸術家、作品ばかりで、毎回驚きの連続です。

 

メッサーシュミットの鬼気迫る表情の彫刻、アントニ・ガウディが熱狂的なカタラン主義者だったこと、イヴ・タンギーの深海の中にいるような謎の物体などなど、印象に残るものがいくつもありました。

 

リチャード・ダッドも今まで知らなかった画家ですが、とても興味を惹かれて、古本で画集を買ってしまいました。

水彩も油彩も素晴らしく、また、「砂漠での休息」のような静かな作品もあれば「お伽の樵の入神の一撃」のように精密に描き込まれた作品もあり、作品の幅広さと豊かさに、40年を精神病棟で過ごした画家の内面にどれほど広い世界がひろがっていたのだろうと思わずにはいられません。

 

SABA先生の講座を取らなかったら、絶対に知ることがなかっただろうと思うような作品と出会えて、とても嬉しく思っています。

 

最終回の授業、また、次の「夢見るファッション」も楽しみにしています!

引き続き、よろしくお願いいたします。

Ricard Dadd

Sさんはもう何年も受講を続けて下さっている参加者の一人です。都立大オープンユニバーシティの授業は年が4回、四季に別れているので一回の講座が三ヶ月弱です。連続講座をする先生もいますが、基本的に私は三ヶ月毎に内容を変えています。OU(オープンユニバーシティ)で講座を持った当初は映像が使えず、本を読み進めながら「イタリア史」と「イタリア語」をやっていました。でも場所も変わり、映像が利用できるようになってからは私、本来の西洋美術史に関する講座を続けて来ました。と言っても「通史」「キリスト教の聖人」「ヨーロッパ中世の生活文化」など内容は様々です。内容が変わっても連続して受講してくれる人たちには、どれだけ感謝していいかわかりません。Sさんのように、本当に感動して自分でさらに内容を深めてくれる人がいると、こちらも本当に嬉しくなります。

www.ou.tmu.ac.jp

Sさんが次も申し込んでくれた「夢見るファッション」と同時に対面授業の「もう一つの西洋美術史」も、どうぞよろしくお願いします。こちらはオンラインではないので、やはり対面がいいという方向けですし、西洋美術を時代を通して見てみたい(しかもちょっとありきたりじゃない形で)という方、待ってます。来てね〜💖

【ファッション】夢見るファッション

皆様、ジメジメした夏が過ぎて気持ちいい季節になりました。9月っていい季節ですよね!イタリアの歌にも9月を歌った歌がたくさんあります。

Crivelli

とか言ってるうちに、都立大オープンユニバーシティ今年最後の秋講座(10、11、12月)の募集が始まりました。

私は物心ついた時からファッションに関心が高く、おもちゃのアクセサリーが大好きでした。美術も大好きで画集を眺めて日常を過ごしました。大学時代から、働き始めた初期の頃は、ファッション関係のデザインや、短かったけど撮影のスタイリストをやったこともあります。でも、読書とか考える事とか、もう少しそういう仕事がしたいと思い結局、今の非常勤講師という仕事に落ち着きました。すごく回り道をしましたから、最初から大学院に行って、国費留学をしている様なエリートの人たちとは全く違います。私の授業に参加してくれた経験があれば、いかに授業が違うか分かるだろうし、好き嫌いが出るのは当然です。

Hayez

そんな私だから、ずーと前から何かファッショに関係あるテーマで講座をやってみたいと思っていましたが、なかなか機会が訪れませんでした。ところが、今回都立大オープンユニバーシティでは、以前はいわゆるサブカルチャーと言われていたものを正面から取り上げています。西洋美術を中心に使いますが、布地の歴史、技術革新の歴史、女性の権利の歴史などの社会背景から、時代を代表するデザイナーやブランドなども取り上げて、幅広い楽しい授業にしたいです!

 

新しい内容なので、様々な年齢や興味の、色々な人々の参加を心待ちにしています。どうぞよろしくお願いします!!

【講座】マドリッドからオンライン授業に!

お久しぶりです。暑中お見舞い申し上げます。

Barga, Angelo

私は夏が好きなのに、湿度に超弱いのでパワーが落ちまくっていました。イタリアなんか暑いけど夏はカラッとして、海も太陽も海岸も、中世やルネサンスバロックの街並みもとにかく最高ですが、コロナ以来行けません。コロナ禍でも海外へ行く人がいますが、普段とは違った様々な決まりがストレスになって、私にはとても行けそうにありません。その上、物凄く日本人にとっては全てが値上がり状態だし・・・。

と、そんな落ち込んでいるところへ、物凄く嬉しいお便りが届きました💌

Milano, PP

彼女は都立大OU(オープンユニバーシティ)の対面の授業の時からずっと参加してくれている内の一人でしたが、このところ姿を見なくてどうしたのかと思っていました。そしたらお仕事でマドリッドにいるんだと分かりました。マドリッドにいてもずっと講座に参加し続けてくれているのです。時間が合わないから、オンライン授業にリアル参加はできないのですが、オンラインの良いところは好きな時に何度でも確認しながら授業が見られるところで、彼女もオンデマンドで見てくれているそうです。最新の授業の感想などももらいました。

Vigevano, Castello

国際的に活躍しているのは彼女なのに、まるで私も国際的になったような錯覚に、ちょこっとですが、そんな気分になりました。本当に嬉しい!有難う。コロナになってもオンデマンドで見て感想くれる人もいるし、参加者は私の支えです!!コロナになって私個人も世界中も打撃を受けて、極一部の人だけがうまく立ち回ってるんだと思うけど、コロナが来なければオンライン授業をしていなかったと思うので、そういう意味では悪い面ばかりではなく、やはり新しい世界が広がったんですね。頭ではわかっていても、実感したのは初めてです。私の都立大OUの授業に、マドリッドに住んでいる人が参加してくれるなんて、思いもよりませんでした。

【美術】講座参加者の感想 S氏

今シリーズも新鮮な驚きがてんこ盛りの講義でした。ありがとうございます。

日本であまり知られていない隠れたお宝をたくさん紹介いただきました。

Ravenna

初期キリスト教モザイク美術。(贅を尽くした最高品)

北欧の木造教会建築。(意外。ヴァイキング船技術と関係あるのか)

アンドレア・デル・カスターニョ。(前期ルネサンスの偉人についてはもっと知る必要があると痛感)

フランスに移住したマニエリスム
ファンシーピクチャー
ダヴィッド
ルドン(なんと仏陀を描いた画がある)。
イタリア未来派。(時代を考えると不謹慎ながら、カッコイイ!)

Mapplethorpe(妖しい花の写真が良いです)

ホックニー。(西海岸の英国人。なるほどです。)

ホックニーのプールの画(飛び込み台のある)を見たとき、その不穏感に映画『泳ぐ人』を思い出しました。6分割のこの画の素材何だろう。本物見てみたい。アトリエの画(写真?)もすごくいいですね。やはり本物見たい。今回素材とか技法についても詳しく説明頂いたように思います。その最新形がホックニーiPad絵画ですね。怒涛のような10回講義、本当に楽しく勉強になりました。ありがとうございました。

Andrea del Castagno

Sさんも連続で私の西洋美術の講義に参加してくださる一人です。美術の他、ロックや映画も好きだということが、長くお付き合いするうちに分かってきました。私は、多くの先生たちが採用する、予め用意した資料で定番の授業を繰り返す方法をとっていません。集まった人たちの知識や関心によって、授業内容を変更する余地を残すべきだと思っているし、感想や質問などがお互いの刺激になり、より良い理解につながると考えています。資料は、常に新しく作る(昔のものに手を入れることはある)ようにしています。だから、感想を送ってもらうと、こちらもためになるのです。長いお付き合いの参加者が多いけど、新たな人も常に歓迎しますので、気軽にお願いします。と言っても、夏講座は初まったばかり。💕

【美術】講座参加者の感想:Sさん

もう今週末から、夏季講座が始まります。ずいぶんずれてしまったけれど、Sさんの感想です。以前彼女の感想を掲載したら、彼女の感想に興味を示してくれた読者がいました。そうやって知らない人同士が、好みや感変え方を通じて知り合え、知識を深められたら最高です。以下そのまま掲載します。(段落はつめさせていただきました)

Redon

こんにちは。今回の「型破り西洋美術史」でも毎回盛りだくさんの内容をありがとうございます!あっという間に最終回になってしまいました。最終回にあたり、これまでの授業の内容を振り返って、感想をお送りします。

 

ファンシーピクチャーの回の、Jean-Baptiste Greuzeの「死んだカナリヤと少女」をめぐるディドロの解釈は、作者本人ではない人物がそこまで断じることができるのか、と驚きました。Greuze自身はどういった意図で描いたのでしょうか。教訓画ということですが、当時の人が見れば十分理解できる作品だったのでしょうか。個人的には、作品のタイトルからも内容を想像する手掛かりがつかめず、難しい作品だと感じました。

Greuze

世紀末美術の回のオディロン・ルドンの後年の色彩のある作品は、色使いなのか構図なのか、作品全体から浮遊感が感じられて、時代がまったく違うのですが、ポントルモの作品(「十字架降下」など)から受ける印象と似たものを感じました。ルドンの作品は今まで「キュクロプス」を知っていたくらいで、ほとんど見ることがなかったので、こんなに興味深い画家だったとは知りませんでした。今回授業で知ることができて嬉しかったです。

前回の「世界の美術館」の講座、今回の「型破り西洋美術史」を通して様々な美術作品や表現方法を見てきて、芸術作品とは何か?アートかアートでないかの境界はどこにあるのか、というようなことをずっと考えています。特に現代美術を見ていく上で、自分の中でしっかり考えておかないと混乱してしまいそうです。今のところ、人が手を加えて(意図的に構成する)、作り手か見る側が「芸術だ」と思えば、出来の良し悪しなどは別として、芸術作品なのだと思っていますが、今後も引き続き考えていきたいと思います。

Redon

最終回の授業、また、次回の「ミステリアスなアート」も楽しみにしております。

ルネ・マグリットは以前から興味があって、企画展に行ったり、画集を見ていたので、マグリットの回があると聞いて嬉しく思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

【美術】講座参加者の感想:Mさん

この感想をいただいてから随分時間が経ってしまいました。ごめん。以下Mさんの感想です。

Rothko
私は、クレイやロスコなど、何かわからないけど、前から好きでした。
カンディンスキーモンドリアンは、有名なコンポジションのイメージが強くて
そこまで興味を持っていなかったのですが、今回、紹介のあった「Far Away」や「Broadway boogie woogie」などはとても好きです。色の響き合いと線の美しさに惹かれていたのだと改めて納得しました。時代背景との関連の話もとても興味深く、特に皆さんも言っていたようにCIAのくだりは驚きですが、アメリカらしい気もします。今回もワクワクする授業、ありがとうございました。
 
世界の美術館の授業全体について
 
どの回も、本当に楽しくて新しい発見だらけでした。これだから先生の授業への参加はやめられない。毎回違う国を取り上げてくださったので、世界を旅している気分も味わえました。その上で美術史も学べるなんて、こんな授業は絶対他にありません!一つだけ行ける美術館を選ぶとしたら(全部行きたいけど)、ドイツロマン派の回のハンブルグ美術館です。メンツェル、フリードリッヒ、ルンゲなど実物を見てみたい。ロマネスク、ルネサンスバロックの美術は、美術館もいいけど教会で見たいという思いもあります。
 
もちろん4月からの授業も申し込み済みですので今後もどうぞよろしくお願いします。

Runge

一緒に何度もイタリアへ旅した仲です。ハンブルクへ一緒に行ける日が来ればいいのですが・・・

【美術】夏の2講座開講決定💖

わーい!やったーっ!夏の2講座が開講決定いたしました!!

フォンテンブロー派

コロナ以降、外へ出るのがおっくうになったり、万一を心配したり、さまざまな理由でオープンユニバーシティもカルチャーセンターも個人の教室も、生徒が激減しました。政府は旅行と飲食ばかり気にするけれど、それ以外の仕事は沢山あるし、コロナの大打撃から回復していない生活を送る人々は大勢いると思います。

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私も当然そのうちの一人です。大学自体が全面的に休校だったし、やっと始まったかと思ってもオンラインだけだったり。NHKラジオ講座に出ているような先生や何冊も出版しているような有名先生も、対面授業に人が集まらず開講できない状態がいまだに続いています。そんなだから私のような知名度のない者がオンラインの他に対面授業を開講したいと言っても無理かもしれないと、当然思っていたのに・・・。心からの感謝を捧げます!!ありがたいことに2講座とも開講が決まりました!!!

ハンブルク美術館のフリードリッヒ

知名度が無いだけでなく、私の講座は都立大オープンユニバーシティの中では(多分他と比較しても)一番高い講座のうちに入ります。なぜなら授業回数が断然多いから。それでも集まって下さる人たちにどれだけ感謝を捧げたらよいでしょう。常にそのつもりではいますが、ここへきて、いよいよみんなのありがたさが身に染みたので、益々全力投球で授業します!今は現在の「型破り美術史」の最終回に向けて最後の仕事をしている最中ですが、夏、皆さんに会えるのをめちゃくちゃ楽しみにしていますっ💕💕💕

 

ちなみにオンライン講座の「ミステリアスなアート」はもう締め切ってしまいましたが、対面の「世界の美術館」は、まだ参加者募集中です!上のサイトからぜひ来てください。 チャオチャオチャオ〜〜〜

【講座】ミステリアスなアート

都立大学オープンユニバーシティ夏講座の締め切りが迫っています。まだ余裕があると思って受講できなくなる人がいつもいるので、登録のお願いです。

René François Ghislain Magritte

どうか直ぐに下のウェブをチェックしてください。直にこの内容のページに飛べます。もう一つの「世界の美術館」は対面ですがこちらはオンライン講座です。www.ou.tmu.ac.jp

コロナ以前は二つの講座を常に持っていましたが、コロナをきっかけにこのところオンラインでしか受け持っていませんでした。対面講座に募集をかけるのは本当に久しぶりです。

www.ou.tmu.ac.jp

私とオープンユニバーシティの講座の始まりは、都立大の本校である南大沢の校舎で「イタリア語」と「イタリア史」です。それが映像を使うことができるようになり、最も得意分野の西洋美術史(イタリア中世・ルネサンス中心)をやってきました。他校やカルチャーで授業しながら、参加者も変わり、場所も変化しました。何より時代が変わって、ヨーロッパ旅行が以前ほど一般的ではなくなり語学への興味も、それに伴い減じたような気がします。日本経済の下降は大きな一因でしょう。

Beato Angelico

それで、最も私らしい、私が愛する内容を考えた時、西洋美術全般を対象にすることにしました。私はいくつか大学を出ていますが、最初に出たのは美大です。学生時代はジャスパー・ジョーンズラウシェンバーグフランシス・ベーコンのような現代美術が大好きでしたし、子供の頃からマチスもサッセッタも同時に好きでしたから、西洋美術全般を扱います。

Paul Delvaux

と言ってもルノワールの裸婦とかモネの睡蓮より、不思議な雰囲気や謎に満ちた作品に、惹かれてしまいます。例えば、デルヴォーの人形のような女性たちと風景は、一体何を言いたいのか、何かの元ネタがあるんだろうか、この道の先はどうなっているのか、いろんなことを想像させて、つい目を止めてしまいます。

Richard Dadd

展覧会、画集、インターネット、美術本、イタリアなどで何万という作品を見てきましたが、ろくに見ないで通り過ぎてもいいと思う作品もあれば、何分も、何度も、時をおいて繰り返し眺めても飽きない作品もあります。驚きはしないけど「いいなー、好きだなー」と思うこともあれば、好みではないけどスゴイと思うこともあるし、強烈な衝撃を受ける作品もたまにはあります。リチャード・ダッドはそういう画家です。上の絵は作品の一部ですが、この作品以外直ぐには資料が見つからず、古本屋でやっと一冊入手、いまではネットでずっと簡単に調べられますが、それでも情報の多い画家ではありません。西洋美術の場合、対象がヨーロッパなので当然ですが日本語ではわずかなことしかわかりません。

Paolo Uccello

今回のテーマはミステリアス(不思議・謎)なので、時代や様式には全く無関係に、私が謎で面白い、紹介したいと思った画家を紹介します。都立大の冊子には一作品を中心にと書いていますが、結局、今やっている「型破り西洋美術史」も多数の画像を使っているように、次回もそうなるでしょう。ミステリアスなアートの様式とか、施術史や美学には無関係に単純に、面白い興味を引く作品とそれを描いた画家を取り上げます。

 

早く登録してください💕お願いしまーーす💕

ミステリアスなアート 2221J001 東京都立大学オープンユニバーシティー

【講座】世界の美術館で西洋美術史

夏講座の募集が始まったので、前回に引き続き、そのお知らせと呼びかけです。

国立考古学博物館 アテネ

「世界の美術館を訪ねながら西洋美術史を概観する。」という講座をオンラインでやりました。それを対面授業でやらせていただきます。写真はオンライン講座用に作った資料の複製です。具体的な日時や参加費などは、以下の都立大オープンユニバーシティーのウェブで確認してください。そしてぜひ参加ボタンも押してね💕www.ou.tmu.ac.jp

1回の講座で一つの美術館を取り上げ、基本的にそこの収蔵作品で一つの様式について理解できるようにします。例えば初回はクラシック(古典古代)様式をアテネの考古学博物館で堪能し、2回目はロマネスク、ゴシック様式をパリの中世美術館で追う、というように授業を進めます。

中世美術館 パリ

西洋美術史なので当然ですが、ヨーロッパに作品が集中していますし、中でもイタリアは圧倒的な質と量を誇るのですが、11回全ての回に違う国の美術館を紹介しようという企画で始めました。やってみて、思っていた以上にそれが無謀で厳しいか痛感しましたが、ハンブルクやフィゲーラス、クロアチアなど普段はなかなか触れることのできない場所へも行けて(想像だけど)私も、参加者も楽しい思いをしました。

アール・デコ美術館 リスボン

権利の問題はいつも難しいのですが、日本では特にポーラ美術館に全面的に協力いただき印象派の回を作ることができました。ポーラは箱根なので、是非夏季講座が終わったら、受講者と共にプチ旅行を企画したいです💖

ダリ美術館 フィゲーラス

コロナ以来外出できなくなって、それまで当たり前だった旅が、永遠に思えるほど遠のきました。それで世界中を空想の中でも旅したいという想いが湧き立案したので、私も訪問したことのない美術館がいくつも含まれています。イタリアは誰よりも旅していると、思えるほど全州にまたがって旅をしているし、ロンドンやパリなど実際何度か訪れたことがある場所と違い、全く知らないところについては、街や国についても簡単に勉強し直しました。特にクロアチアについては知識がなかったので自分でも勉強になりました。いわゆる大芸術とは違った、さまざまな美術の形を知る機会になったと思います。

素朴派美術館 ザグレブ

できるだけ世界中に旅したいという思いと、日本は必ず入れようと決めていたので、ヨーロッパ以外に日本とアメリカが入っています。本当は中南米やアラブ地域にもすごい美術館があるのですが実現しませんでした。授業時間は90分ですが、互いに時間がある時はその前後で質問の時間を設けますので、内容に関わる質問ならどんどんしてください。歓迎します。

アール・デコ美術館 リスボン

もう2度と対面授業はできないまま、引退した方がいいのかなと思っていましたが、やっとチャンスをもらえました。どうぞ夏季講座の参加よろしくお願いします。いつも言っているように、開講するかどうかはみんなが来てくれるかどうかにかかってるから!心から、会える日を楽しみにしています💕

世界の美術館 2221J002 東京都立大学オープンユニバーシティー

そうそう。大学の講座申し込みの写真は、私が講座を始めた初期の頃のものです。ずっと変えなきゃと思いながらそのままになってるの。ご容赦お願いしまーす

 

【講座】夏に逢いたい!

梅雨に突入したみたい。もうすぐ夏ですね。今度の夏は、私にとって特別な夏になりそうです!なぜってコロナが始まって以来もう2年も閉じていたオープンユニヴァーシティの講座が開講されることになりました!!

キリストOK? 青い箱に入った聖人?

みんなとの西洋美術やイタリア関連の講座は、私の命なのにオンライン授業だって始まるのに1年以上待ちました。このところはずっとオンラインで西洋美術史をやっているわけですが、やっぱり対面の授業じゃないとダメという人も結構いるし、その気持ちも分かります。やっとこの夏から対面の授業への参加者を募集することができました。

www.ou.tmu.ac.

詳細はまた後ほどアップしますが、とにかく募集が始まったので、上の大学のホームページを見てください。なにしろ参加者がいないと開かない(当然だけど)から、みんなの参加をこころよりお待ち申し上げる次第でございますルーー!

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ