天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

Entries from 2019-02-01 to 1 month

【旅】2019年イタリア美術の旅:世界で最も有名な塔を持つピサは中世初期の華

Pisa! ピーサ! 「奇跡の広場」という名からも分かるように中世ヨーロッパで最初に最も輝いた街ピサ。 Torre pendente, Pisa ツアーでは広場だけ、しかも斜塔のアホらしい写真を撮って通り過ぎるのではあまりに勿体無い。本当は一週間ピサだけに留まって周辺…

【イタリアの街】プーリア州:海に突き出したロマネスクの大聖堂

プーリアは個人的に特別な思い出もあるところで、本当に好きなんだけど、日本人の旅行では全然紹介されない場所です。なぜかって言うと、昔はひったくりとか多くて(現在も居るにはいる)軽犯罪一位の危険地帯だったから、って言うのもあるし、北イタリアの…

【旅】旅を計画する時(個人旅行の人の参考になれば嬉しい)

毎年(を目指して)「イタリア美術の旅」をやって十年以上が経ちました。今は今年2019年の旅に向けて、宿の調整をしています。 Santa Croce di Corvo修道院 宿取りは人数が少なければ本当に楽です。宿的にはカップル二人で旅するのが最高。高級から激安、変…

【美術館】ナポリ:眺望が楽しめる、とっておき聖マルティーノ博物館

*2018年のイタリア美術の旅の行き先です。 ナポリにはローマ、ミラーノ、フィレンツェには負けるけど、たくさんの博物館があります。数え方にもよるけど約50館ほど。聖セヴェーロ博物館は紹介済みなので、今日はあまり知られていないけれど、絶景が楽しめる…

強烈!ナポリの守護聖人サンジェンナーロ

9月は私のずっと追っているルッカのヴォルト・サントの祭りであるルミナーラもありますが、これは聖十字架高揚の日と言うキリスト教カレンダーにあわせたものです。 ナポリではサン・ジェンナーロの祭りがあります。イタリア3大祭りの一つと言われ、大変な…

【イタリアの街】モンテカッシーノ大修道院:西洋修道院制度の総本山

宗教とは何か?私は常に考えてきました。最終的な答えは出ないでしょうが、不合理で不確実な現世において、人間が理想とするものの一つの解答だと思います。理想は個々人に違いはあるものの、乱暴に言ってしまえば、それは心の平安を意味します。そういう意…

【イタリアの街】モリーゼ州:困難を乗り越えて手にする歓び

「イタリア歴史と美術の旅2018」について:モリーゼに行ってみたいという私の希望から、今度の旅の参加希望者は悩まされていると思います。イタリアに何度か行ったことのある人でも、なかなか思いつかない場所だから。 San Giorgio, Petrella Tifernina イタ…

イタリア美術の旅の計画

*以下は2018年の記事です。今日2019年2月19日は、街と日程はもう決定していて、参加者もほぼ出揃ったので去年よりだいぶで足が速くなっています。毎年こうした方が良いね。お陰で航空券に大きな差が出てるし良い兆候。ただ、今年は北イタリアで向こうへ行っ…

【イタリアの街】プーリア州:大天使ミカエルは洞窟好き

中世の初期にイタリアで暴れまくったロンゴバルド人や後にヨーロッパ全土で猛威を振るったノルマン人は結構あちこちに痕跡を残している。彼らはキリスト教徒になった時に、皆が守護聖人を持っていることを知る。例えば薬や治癒の聖人である聖コスマとダミア…

【イタリアの街】バジリカータ州古代神殿と中世の要塞

イタリア政府観光局が全然役に立ってくれなくて、だから役所はダメなんだと言いたくなります。資料無さ過ぎ。ネット見難く過ぎ Craco バジリカータもモリーゼに負けずに日本語資料が僅かしかありません。結局いつものようにイタリア語の資料で調べています。…

2019年イタリア美術の旅全日程

去年の記事と錯綜してるけど、今年2019年の秋のイタリア美術の旅の全日程を確認します。 【巡礼とロマネスクのロンバルディーアの旅】 9月10日 成田発→モスクワ→ミラノ 22:40 11日(水)Monza 12日(木)Pavia 13日(金)Piacenza 14日(土)Piacenza 15日(…

【イタリアの街】モリーゼ州の最果ての野蛮人の聖堂

野蛮人=バルバリとは古代、ギリシャ人やローマ人が、自分たちよりも文明の遅れた北方の人たちを主に指して使った言葉です。私たち日本人には無関係だから、野蛮人と書くのは本当はおかしな話です。欧米主導当然主義からくる言葉ですから。でも、現在、世界…

【イタリアの街】バジリカータ州マテーラ

バジリカータ州で圧倒的に有名なのは間違いなくマテーラです。 イタリアは世界文化遺産登録数世界一の国ですが、文化遺産というのは、自然遺産や歴史遺産に対して、主に芸術的な要素の強いもので建築物が中心です。例えば自然遺産は文字通り、天然の自然の風…

サルデーニャ島ログドーロのロマネスク聖堂たち

Logudoro=ログドーロという発音もやはり特徴があり、サルデーニャならではの響きを感じさせます。 サルデーニャ島は、格安航空が一般化する以前は、イタリアの富裕層の避暑地として有名でした。エメラルド海岸以外にも、海の底のそこまで見える、本当に空を…

【博物館】ナポリの聖セヴェーロ礼拝堂

年の初っ端に、私の知る限り、空前絶後の技量を表した彫刻を誇る場所から始めます。 ナポリは、スパッカナポリと言う街の心臓部に当たる古い地区にある小さな礼拝堂で、以前は入り口が分かり辛く、ナポリの喧騒にまぎれてうろうろする人が多かったのですが、…

【街】バジリカータ州マテーラ

バジリカータ州で圧倒的に有名なのは間違いなくマテーラです。 イタリアは世界文化遺産登録数世界一の国ですが、文化遺産というのは、自然遺産や歴史遺産に対して、主に芸術的な要素の強いもので建築物が中心です。例えば自然遺産は文字通り、天然の自然の風…

2018年のあけましておめでとうございます

毎年、年末年始も本とコンピューターにまみれています。 楽しみの年末ボクシングは、内山が引退してしまったので少し寂しかったけれど、その分田口が頑張ってくれました。私も根性出して、今年はイタリア美術と歴史の旅を復活させます。とんでもなくマイナー…

【イタリアの街】モリーゼ州カンポバッソ

モリーゼ州は1970年に州になったイタリア一新しい州なので、首都カンポバッソは統合した内の一つに過ぎません。カンポバッソとは低い野原とでもいうような意味で、州の6割が山岳地帯なモリーゼにおいて、平野のある穏やかな場所です。ちなみにイタリア全土…

【イタリアの街】プーリア:ロコロトンド〜ヴィッラ・フランカ

トゥルッロは独特の建築を指す言葉ですが、それはアルベロベッロのものだと思われています。確かにアルベロベッロにはトゥルッロが固まっていて普通複数形でトゥルッリと呼びます。世界遺産登録された、童話の中に入ってしまったような場所です。 でも実はあ…

【イタリアの街】サルデーニャのヌラーゲ

ヌラーゲって名前だけでなんか怪しくないですか? 私がヌラーゲを知ったのは、サルデーニャへ行った後です。イタリアで詳しいガイドを購入したら、そこに図説入りで説明がありました。子供の頃から形や色、さらに不思議なモノに異常に惹かれる私は(美術史を…

【イタリアの街】カンパーニア、イタリア政府観光局から

http://visitaly.jp/recommend/borghi-in-campania イタリア政府観光局のサイトです。 アマルフィの近隣の村を紹介しています。 この辺の写真は自分の写真がないので、イタリア公式サイトを見てください。 ま、正直言って一週間の旅でここまで行けるとは思え…

【イタリアの街】サルデーニャ島

「イタリア:歴史と美術の旅2018」の候補地、最後に上がるのはサルデーニャ島です。 イタリア20州のうち特別自治区は5つあり、その内2つが島です。地中海最大の島シチーリア島、それに次ぐサルデーニャ島です。特別自治区というのは、長年独自の文化を保…

【イタリアの街】バジリカータ州

「イタリア:歴史と美術の旅2018」の候補地に、またまたマイナーなバジリカータ州も入れてみました。舌の根も乾かないうちですが、バジリカータには一箇所だけかなり有名なマテーラという世界遺産登録された地域があります。街とは書きにくい場所ですが。 こ…

【イタリアの街】モリーゼ州

Molise(モリーゼ)の名を聞いたこともない方が、イタリア好きでも当たり前か、というほど無名の州に行こうかと、考えている私は無謀ですが、それを理解してくれそうな旅の仲間たちが居るのではないかという期待から、一応「イタリア:歴史と美術の旅2018」…

【イタリアの街】プーリア州

「イタリア歴史と美術の旅2018」秋に向けての旅をどこにするか話し合うため、旅先の紹介をアップして行きます。 Puglia(プッリャ、プーリア、プーリャ)州の首都はBari(バーリ)です。 が文化的に4つの地域に分けられます。北から 1)Foggia(フォッジャ…

【イタリアの街】カンパーニア州

「イタリア歴史と美術の旅2018」用に考えている州(モリーゼ、カンパーニア、バジリカータ、プーリャ、サルデーニャ島)中、圧倒的にカンパーニア州が、歴史的、文化遺産的に重要で、巨大です。 中世ヨーロッパで都市と言えるような場所は少なく、パリと人口…

2018年のイタリア美術の旅に向けて

*以下は2017年末の記事です。去年はこんなだった。今年よりうんと大変だった。情報は無いは、場所も決まらないわで。毎年進化して自由度が増してるけど。 年末か、年明けに国立(レストラン文流かアルトパッショ)でパーティをしたいと思います。誰でもでは…

Buon Natale 2017年のクリスマスの挨拶

ブォナターレ! 御聖誕をお祝いする言葉。 なんか日本語で書くと物凄く硬いけど、イタリア語では非常に気楽な感じというか、親しみやすい感じです。これは聖書を読んでもいつも感じることだけれど、イタリアにいる方が神を感じやすい。キリスト教徒が1パー…

基督教生まれの物事

*サイトの引越しで2017年冬の記事を転載しました。 今月終わった放送大学の多摩学習センターでの授業は 「基督教生まれの物事」っていうようなものでした。 いつも教室が溢れそうなのに、今回は前回の「修道院から生まれたもの」の続編のようなところもあっ…

知られざる芸術家の人生

*サイトの引越しで2017年11月の記事を転載。 今月は放送大学の授業が6日もあったからきつかったけど、風邪もひかずに乗り切りました。人数を絞って、良い画像を追求したせいもあってか、いつもよりさらに感動してくれた参加者が多かったかもしれない。内容…

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ