天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【美術】講座参加者の感想1

いつも私の講座に参加してくださっている方々から、素晴らしい感想をいただきますので、その中からいくつか紹介します。全文ではなく、美術に無関係で個人が特定できるような箇所は割愛しています。

アテネ考古学博物館

「世界の美術館」の11回の講義、ありがとうございました。さまざまな美術館巡りを通して、西洋美術の通史を興味深く学ぶことができました。毎回は当日参加ができませんでしたが、eラーニングで全回視聴することができました。
 講座を聞くことで、
 1  中世美術は定形的で、面白くないとの認識が、そこには素朴で静かな豊かな精神
的な流れがあったのだろうと推測するように変わりました。

 2  ルネッサンスから近代美術の間の流れ、私の美術知識の空白の部分を知ることが
でき、頭の中がスッキリした感じがしております。知らなかった西洋人の精神の歴史に
ついて、少し触れたように思います。

 3 現代につながる印象派以降の美術について、断片的理解から幅が広がりました。

国立中世美術館 パリ

私は自宅浪人をしていた20歳の誕生日にゴッホの画集を購入して「オーヴェルの教会」「星月夜」等に接し、歪んだ画面に共感したのが、西洋美術に関心を深めるきっかけでした。(37年前の新婚旅行では、ゴッホマルタンデユガールの「チボー家人々」で憧れていたフランス、ベルギー、オランダへ行き、ルーブル美術館アムステルダム美術館、ゴッホ美術館へ行き、さらに南へ行こうと、リヨンまで行ってきました。)

若い頃には、ルネッサンスを暗黒の中世の時代から人間を解放した運動と誤解してい
ました。萩原朔太郎中原中也に共感したりもしておりました。予備校のテストで隣の席に坐った、試験用紙の裏に詩を書いていた者に誘われて、詩の同人誌を出したりもしました。ダダイスト 高橋信吉の詩にも共感したりもしておりました。そんなわけで、詩についての先生のお話も興味深く聞くことができました。
 そして、20代からずっと「人間とは何か」「美しいものは?」と闇中模索しながら、のんびりと過ごして来ております。

 ここ15年ぐらいの間は以下のようなことが私の関心事です。
1 東京国立博物館で見たマルセル・デユシャンの作品のさまざまな作品のわからなさに何か解答を出したい。
2 ル・コルビジェの絵画から建築への進展の面白さが心に残っている
3 何度も通っている横浜美術館イサム・ノグチの作品の不可解さ。
4 大江健三郎NHKテレビの日曜美術館で一般的には感嘆する美しさでない「フランシス・ベーコンの自画像?」について、「美しい」と話していたのを見て、美しさへの一つの強い解答だと感じたこと。美しいということを今一度考えるようになった。
5 セザンヌの求めたもの?


「型破り西洋美術史」楽しみにしております。

ゴッホ美術館 アムステルダム

この方は、随分前に講座に参加してくださり、何年もご都合が付かずお目にかかっていませんでしたが、久しぶりにまた参加してくださっています。引っ越しや出産、お仕事や家庭の事情などで、一度来なくなった方が戻って来られた時の私の喜びは、またひとしおです。感想は、私の主張と食い違うこともありますが、個人の感想を尊重しそのまま掲載しています。講座に参加してくださっている方も、外部の方で美術好きの方にも感動が伝わるのではないでしょうか。本当にありがとうございます💖

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ