天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【美術】講座参加者の感想3

このところ連続で、私の西洋美術史の講座に参加してくださっている方からの感想やご意見を掲載しています。得に個人的な内容で美術に無関係な箇所は割愛していますが、基本的にいただいたままの文章を載せています。西洋美術好きの方なら、共感できたり、参考になることもあると思います。以下Mさんからの感想です。

ダリ劇場美術館

最終講義を迎える世界の美術館講座の感想をお送りします。
ずっと、ダリこそ芸術家、芸術的生き方をした人と思ってきましたが、前回の超現実主義の講義では、ダリは意図的であり保守的で、大衆受けする分かりやすさがあり、真の芸術家とは言い難く、シュールレアリズムとは反対にいるとの内容でした。
芸術、芸術家とは何なのか、と改めて考えてしまいました。
今日の素朴派の講義では、素朴=天性とのこと。誰の評価も気にせず、描きたいから、描きたいものを、描きたいように描く。意図したものではなく、内から湧き出てくるものとのこと。正にこれこそが芸術、芸術的なのかと思わされました。
世界の美術館を時代を追って巡った今回の講座は、美術の歴史を世界の歴史の流れと関連づけて知ることができ、自分の中で大まかな美術史を形作ることができたように思います。
そして、芸術とは、芸術家とは何なのか、という大きなテーマも残してくれました。
これからも、これは大きなテーマとして常に意識しながら美術、芸術作品に触れていきたい、と思っています。
今後も、先生の講座を楽しみにしております。
 (講義の後の感想や質問ではあまり考えがまとまりませんが、後になって、じわじわと考えさせられたり、じわじわと意味がわかったりしています。)

ガラの城

正直ダリは芸術家じゃないとか「素朴=天性」と言った覚えはないのですが、そういうふうに受け取られたのだなと理解できます。人間のコミュニケーションにおいて、100%理解し合うのは、よほど単純な内容でない限り無理です。ですから同じ言葉を使っても、人によって受け取り方が異なるのは自然です。だからこそ、授業の後に意見や感想の時間が必要だと思っています。私も説明し直せますし、互いに理解が深まります。

ダリの家

彼女は私のイタリアの旅にも参加してくれて、色々と経験を一緒に積ませてもらっています。何より大変感受性が強く、授業中に感動して涙してくれたりすると、私まで泣きそうになったりして、私からすると心の友みたいに感じられる人。芸術には、そういう感受性が制作側にも鑑賞側にも必要だと思っています。

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ