天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【美術】講座参加者の感想4

目の前の講座の準備と読書他にかかりきりで更新せずすみません。とか言ってゲーマーなのでその時間はあるのですが、ゲームは一人じゃなくてギルドの仲間に迷惑かかるので休むわけにいかない、とかなんとか言い訳する・・・😂

今日紹介する私の西洋美術史の講座参加者は、一番若い層に属する人で期待の星です。リアルタイムで参加できないにも関わらず、アーカイブで必ず見てくれて、興味を広げてくれるのを本当に嬉しく思います。

B-MAD

「世界の美術館」の講座では、毎回内容の濃い授業をありがとうございました。

アーカイブ配信ですべての回を視聴しました。

出てくる美術館がおもしろく(特にポルトガルアール・デコ美術館とクロアチアの素朴派美術館が、街の雰囲気とも相まって素敵でした)、毎回楽しみでした。

講座の内容を振り返って、感想をまとめました。次の講座が始まってしまいましたが、ご挨拶も兼ねてお送りします。

www.lisbonportugaltourism.com

一番印象深かったのは印象派・新印象派・ポスト印象派の回です。

今まで漠然と、画家の個人的印象を描いているのだろうくらいにしか思っていなかったので、筆触分割や色彩分割、光と色の関係、対象と色の関係など、ルネサンス以来確立されてきた絵画手法の「あたりまえ」からの転換点だったと知り、驚きました。

主題も神話画や歴史画から離れ、絵画がぐっと近代的になったのを感じました。

Hrvatski muzej naivne umjetnosti – Hrvatski muzej naivne umjetnosti
(上はクロアチア素朴派美術館の公式サイト)

 

ロマン派の回もとても興味深く、特にCasper.D.Friedrichの作品は、壮大さと暗さが漂い、何か訴えかけてくるようで、とても心に残っています。ルターの宗教改革が起こったのがドイツであったのも頷けると感じた回でした。

ハンブルク美術館には、以前の先生の授業で知って以来好きになったローレンス・アルマ・タデマの作品もあるとのことで、いつか訪れてみたい美術館になりました。

また、ジョヴァンニ・セガンティーニ国立西洋美術館にある作品をはじめ、好きな画家なので、授業で作品が見られて嬉しかったです。

Lawrence Alma-Tadema

なお個人的には、授業の回が進むごとに、絵の中に登場する人々が身に着けている衣装の感じが変わり、その変遷を見るのもおもしろかったです。

「型破り西洋美術史」もアーカイブ参加になると思いますが、楽しみにしております!

Giovanni Segantini

以上がSさんからの感想でした。本当に、感想(意見も)嬉しいです。以前からずっとファッションの歴史をやりたいと思っているんだけど、なかなか機会がありません。アール・デコの回に多少女性の社会進出とファッションの関係について触れることができたけれど、もっと本格的に美術作品とともに紹介できる日が来たら嬉しいのですが・・。参加者が集まるかどうかが鍵なんですよね、しがない非常勤講師にとっては・・。彼女のように、有名だからとか権威のある美術館の展覧会だからではなく、授業で初めて見る作品を自分でいいと感じてくれる人が、もっと増えたらいいのにといつも思っています。

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ