先日、イタリア人の友人たちとお正月料理の話題が出たので、ちょっと調べました。
母が料理好きなので我が家のお正月は大変なものです。日本には御節(おせち)料理やお雑煮など伝統的なお料理がいくつもあって、地方差もあります。世界五大料理大国(中華、和食、フレンチ、イタリアンの他にどこかは人によるみたい)イタリアにも当然色々あります。探すと料理本も結構ありました。私はルッカ(トスカーナ州の街)の伝統料理本しか持ってないけど。
私の留学時代の経験では、年末年始は寂しい時。イタリア人は家族と過ごすし、近隣諸国の留学生や経済的余裕のある外国人も帰国するので、残留外国人はガランとした街で数日を過ごします。クリスマス・ミサやカウントダウンの時以外は、普段よりずっと人が居なくなるのです。コロナが猛威を振るう現在は当然、街はガランとしているべきだけれど。
私はありがたいことに何度か招待されて、伝統的な食事の経験ができました。一度など、庭の門を通過してから車で数分走る大邸宅に呼ばれて、長ーいテーブルに白いクロスを掛けた、いかにもヨーロッパらしい食事にありつきました。その時、黒い物を五つ(七つというのもあるらしい)食べなくてはいけないと言われ甘草はじめ、得体の知れない黒い物を食べました。それらは伝統的な幸運をもたらす風習です。中でも知られているのは最初の写真のレンズ豆を食べること。できるだけたくさん食べれば、それだけお金持ちになれる、という単純な物です。日本で暮らすイタリア人の知人たちもこれは簡単なのでよくやります。レンズ豆を煮てお塩とオリーブオイルだけで食べます。豆や油の素材が良ければこれで十分美味しく食べられます。写真ではレンズ豆にエミリア地方発祥のコテキーノ(ザンポーネ)が乗っています。豚肉の皮や油も使った大ソーセージで大人気。
日本より野菜も果物もずっと安いこともあって、イタリア人はとても果物好き。葡萄(ぶどう)や柘榴(ざくろ)のように、一房に沢山実ができる物も縁起物。子宝に恵まれるとか、家族の繁栄などを願う日本の多作り(たづくり)と同じ発想で、豊かさの象徴です。上の写真はその柘榴を使ったデザート。
お料理としては、ラビオーリやトルテッリーニなどの詰め物パスタも年末年始に活躍します。チーズ、ほうれん草、お肉など詰め物は色々。ラザーニェ(日本では単数形のラザーニャとして知られている)もよく作られます。昔は大変ご馳走だったはず。上の写真もパスタですが、小さく丸めて揚げ、蜂蜜や柑橘系の果物と合わせて甘く仕上げます。留学中には素敵なバールやお菓子屋さんのショーウィンドーにクリスマスツリーみたいにディスプレーしてあるのをよく見かけました。食べたい〜😋
北イタリアではプレッも伝統料理です。ピューレと言ったらわかるでしょうか。野菜を煮て裏ごししたものですが、多くはジャガイモが用いられます。お肉の付け合わせに最適ですが、トウモロコシを使ったポレンタを使うこともあります。
ジャガイモは典型的に北部のお料理に使われますが、これに対して海産物は南部の特徴です。まだまだ一杯ありますが、知人、経験の他、以下に示したサイトを主に参考にしました。写真も借用したものがあります。
https://www.agrodolce.it/2020/12/27/piatti-tipici-di-capodanno-in-italia/
I piatti tipici di Capodanno, regione per regione | PG Magazine