天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

国立でイタリア料理と文化交流パーティ

昨日、国立市トスカーナ州ルッカ市と姉妹都市提携する(書面作業など残ってるみたい)ためのイベントがありました。名前は堅く「第8回ルッカを知る研究会」です。私も過去に二回お話しさせていただきました。今回は初めてルッカ人料理のマエストロを招いてのイベントでした。

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ルッカを知る研究会

最初に講演会があったのですが正直言ってこれは仕切り方がダメでした。市の人もっと頑張りましょう。みんな一生懸命なのは知っていますが、意見を交わさない日本人の悪い点が出て、マエストロにお任せの2時間はキツかった。スローフードのあり方についての話を、質疑応答を入れて1時間で切り上げるべきでした。彼の主張は「とにかく地産地消」「季節物に拘る」「大量生産でなく小規模経営で質を高める」特にgiusto(正義)という言葉を使われたのが印象的です。ブラック企業とは反対に、労働者に正当に支払い搾取しないというフェア・トレードの考え、社会的教養の底上げ、など共感できるものでした。

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前菜色々の一部

6時半からはリストランテ文流での立食パーティ。これは大成功でした。有名店でも、たいして美味しくないことはよくありますが、完全に美味しかった!私の知り合いは大勢いたのですが全員感動してくれました。マリネが人気でしたが、私はズッキーニや珍しい豪華なラザーニェが特によかった。

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メニュー

でも良かったのは味だけではなく、雰囲気、日本では稀な立食パーティーの成功にあります。私が、初めてイタリアへ行った時に最も感動したのは、年齢や職種などを無関係に人々が友人関係を結んでいる点です。おじいさんと子供が親戚でもないのに友達のように話していたり、友達のお母さんと一緒に出かけたりと、東京郊外の住宅地で暮らす私には、全く未知の人間関係でした。イタリアでは街にもよりますが、基本的に非常に気軽に見知らぬ人と話します。バスを待っている時、長距離列車の中、お店やレストラン、道でも・・。これは言葉も関係ありますが、やはり社会全体の価値観の問題でしょう。日本とは正反対に、心が開かれています。大阪の人は反対するかもしれません。流石、日本のイタリアを自負する人々(大阪)で、彼らは東京人よりずっと気軽に会話します。が、大いに違うのは、イタリア人と違って社会性のある内容は話さない。

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リストランテ文流 国立

決まった人とだけ固まっているのはパーティでは最悪の態度。様々な人と交流することで世界が広がり知識も深まる。国立文流は、立地もヨーロッパの中庭形式みたいで、木も生えて、雰囲気最高です。日本にイタリアを紹介した大御所の西村先生はじめ、気さくな国立市長や、明るいマエストロ、ジャンルーカさんを中心に大勢のイタリア(特にトスカーナ)好きが楽しんだ夕べでした。

 

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