天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

首都大学東京OUの「イタリアの街」は一息

*サイトの引越しで2017年の記事を転載してます

 

首都大学東京オープンユニヴァーシティ、飯田橋校でこのところ連続して行なっている「イタリアの街」というテーマの授業は、一旦今年限りにします。

 

もともとこのテーマは長く参加してくださっている方からのリクエストで始めたのですが、なかなか楽しい内容で、自分でもとても気に入っています。何より、普通大学で行う授業は、実践的な内容は相応しくないと私は思っているので、旅の実践的な話など授業の中では避けてきました。しかし、今回のテーマでは街を紹介するのに、実際に自分が訪れる感覚で、建造物や町並みを組み立てました。なので飛行場や駅、列車など普段の美術史では決して触れることのない内容に多少触れますが、これが、現代イタリアの社会問題や技術などを紹介することにつながりました。最も顕著な例はパレルモの「ファルコーネとボルセッリーノ空港」です。生涯をマフィア撲滅運動に捧げた英雄の名前がつけられています。

 

 

博物館はイタリアのどんな小さな街にもあると言って過言ではないほどで、そこでは当然美術の話ができますし、町並みの変化や構造は歴史と深く結びついています。ですからずっと続けたいという気もするのですが、これをしていると、イタリアしか扱えず、西洋美術を紹介するのが、やはり本来の私なので、来年からは大きく西洋美術を基本に、様々なテーマに切り込みたいと思っています。

 

今年最後の10,11,12月の講座ではイタリア人留学生にもきてもらって出身地のインタヴューも考えていますので、今まで気になっていた方、イタリア旅好きは、ぜひ来てください。待ってます。

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ