天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【展覧会】福ねこ百段階段

*サイトを引越ししたので2過去の記事を転載 2017年

 

http://www.hotelgajoen-tokyo.com/event/hyaku

https://www.fashion-press.net/news/29067

 

ミラノから4人のお客を迎えていて、前から行って見たかった「百段階段」(東京都指定有形文化財)のイベントと日にちが合ったので行って来ました。

 

(写真は禁止なので雅叙園のサイトから。百段階段の一部)

 

雅叙園は昔から面白くて好きで、海外から誰か来るとお茶しに行きます。でも唯一オリジナル建造物の百段階段は普段解放していないので見たことがありませんでした。イベントの時か、かなりゴージャスなディナーをしないと見られないのです。

 

毎日日光だの柴又だの歩き回っていた彼らはリュック背負ったウォーキング姿。「入っていいの?」とたじろぐくらい雅叙園は敷居が高く感じたようです。私は当然どんどん挨拶しながら入ってチケット(3段階ある:学割、ビュー割、一般)購入し、呆れたゴージャスなエレベーターへ。貝の象嵌細工の説明をしながら上階に到着。靴を脱いでいよいよ階段へ。ところが階段って言っても、メインは階段の脇にある凝ったお部屋で、そこに展示もしてあります。本当はお雛様が一番似合うけど、今回は猫。ねこネコ猫。

 

(写真は雅叙園のイベントサイトから)

 

「昭和の竜宮城」と呼ばれたという宴の間が7つあって、それぞれ違った画家や細工師が腕をふるっています。地震や経年劣化してるとはいうものの普段目にしている西洋美術とはまた違った日本美術の面白さ。感覚的には芸術というより民衆美術の領域でしょうか。

 

私は何と言っても建物が見たかったんだけど、猫好きにはたまらないのかよく分かりませんが、ものすごい数の猫作品が集まっています。上手いなーと思うものや、ふざけたもの、素材も色々で1000円前後だからお近くの人は行って見てはいかがでしょうか。

 

もちろん展覧会の後は、有名な庭や橋のあるトイレに入ります。ミラノから来た男子一名トイレからなかなか出て来ません。私は男子トイレは見たことないけど、女子と同じなのかな〜っと思ってたら、シエナ出身の彼は男子の便器が並んだ写真を撮りまくってました。

 

 

 

                                   (目黒雅叙園一階の女子トイレ部分)

 

 

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