いよいよ4月からひっさしぶりに西洋美術史の講座が始まります。
システィーナ礼拝堂の図像探求 2111J005 東京都立大学オープンユニバーシティー
講座については日時、申し込み、など上のサイトを見てください。
【システィーナ礼拝堂の図像探究】というタイトルで行うのですが、全く知識ゼロ状態の人には専門的に感じるかもしれないし、以前から私の講座に参加してくださっている方でも、久しぶりで忘れてしまったところもあると思うので、始まる前に読んでおくといい本を紹介します。
『ルネサンスの歴史』上下
モンタネッリ、ジェルヴァーゾ 著
藤沢道郎 訳
書店やネットで入手しやすいし、読みやすいのでぜひお勧めします。右の大きいのはオリジナル、文字が大きいけどもう残ってるかどうか・・。文庫版は探せば必ず入手できます。一般書ですが本を読み慣れていないと多少難しく感じるかもしれません。しかし大変良い内容なので、文意をよく汲み取りながら読んでください。細かなところで最新の研究とは違った記述もありますが、それは常に起こること。
『物語イタリアの歴史』Ⅰ、2
藤沢道郎 著
中公新書の「物語・・・の歴史」シリーズの第一弾はイタリアの歴史です。これは古代ローマ帝国崩壊からイタリア統一までの歴史を、時代を象徴する重要な人物を主人公に描いた短編集です。藤沢道郎先生の文章力や構想力、何より思想が明確な素晴らしい内容です。一つ一つの物語は短いので、本格的な読書が苦手な人でも入りやすいと思います。
『メディチ家はなぜ栄えたか』
藤沢道郎 著
この本は上記の本と違い入手が困難と思われますので、図書館を利用することをお勧めします。大体勉強と図書館は切り離せません。図書館を最大限に利用しましょう。上記がイタリアやルネサンスの歴史を外観しているのに対し、この本はメディチ家、しかもその起こりに焦点を当てて書かれたもので、多少専門的です。しかしルネサンスとメディチは切っても切れない仲、何がなんでも出てくるのでルネサンスについて知りたいと思っているのなら興味深く読めるでしょう。
メディチ家に関してはさまざまな本があります。写真と図説でできた文字の少ないものから研究論文のようなものまで色々です。図書館や大型の書店へ行って読めそうなのを手にして下さい。
ルネサンスと名のついた書籍は非常に多く、会田雄次の「ルネサンス」のように、今ではかなり苦しい内容のものもありますが、ある意味で昔の本は感動的で小説のように読めるので面白いかもしれません。余裕のある人はできるだけたくさん読んだらいいと思います。時代によって変化したところや、著者の解釈や価値観の違いなどに気づくのは重要なことです。
フィレンツェに関する書籍もかなりあります。全く本が苦手な人(そういう人で勉強しようという人は珍しいとは思うけど)はフィレンツェの写真集のような本も手軽に入手できるので探してみて下さい。
授業に参加しない人でも、ルネサンスに関心のある人、ヨーロッパ史や世界史に関心のある人はぜひどうぞ。参加される方には、事前に読んでおかれることを強くお勧めします。授業の面白さ、理解の度合いがまるで違うでしょう。