一昨日、伸ばし伸ばしになっていた本棚を買いました。兎に角本が増えて、家が潰れそうになるので、如何に必要な本だけ残して捨てるかとか、どうやって整理するかが重大問題です。私立大学の教授になってテレビにでも出れば、書庫が作れたりするんでしょうが、貧乏講師には永遠にできません。なのでひたすら軽くすることを目標にしました。
古い本棚を猛然と叩き壊して、昨日は1日身体中筋肉痛でした。その本棚は私よりもずっと年上で親族に伝わる物。自分の部屋を緑基調に変えた時に、合わせて塗りました。大変お世話になったので全部壊す前に一応写真を撮りました。完全に自分の為に。
壊してる時に実感したのですが、物凄くしっかり出来ていて、とても今は作れない頑丈さと丁寧さで、釘の打ち方から、裏の板の仕上げまで、中世の職人仕事が生きているのを感じました。
歴史の勉強をしていたり、毎年ヨーロッパへ出かけていると、如何に現在の日本の様々な物がチャチか痛感します。軽くて小さい方が便利で現実的な上、大量生産品が当然経済的なので、そういった代物が増えるのはごく自然なことです。でも、本棚一つ作るにも、昔は職人さんの誇りがあったろうなと思いました。今は、そういった人は極めて限られた人達で、そういった物を使える人も本当に一握りでしょう。かつては全てが手作りだったのだと思うと、ウィリアム・モリスでなくともアーツ&クラフト運動を起こした人々の気持ちが理解できると同時に、それが失敗したのが当然だということも残念ながら解ります。
ぶち壊すのに使った道具は、ハンマーと巨大釘抜きなど。これから電鋸が登場して、捨てられるように小さく切らなければなりません。私は、いろいろ自分でやるのが好きなので工具も子供の頃から慣れています。
古い本棚を壊して、新しい本棚を組み立てるのは簡単でしたが、問題はそこへ並べる本。できる限り処分しようと必死に減らします。生徒の皆様、イタリア語や英語の読み物などいりませんか?貰ってください。中上級の綺麗なテキストが何冊もあるよ。多少イタリアのファッション誌とかもあります。お料理の本は皆無だけど車の本がある。イタリアの地図や観光案内パンフなども。ロックの本もある。そんなとこかな。
可笑しかったのは、初めてイタリアへ留学した時に買ったペーパーバック。中世の巡礼に関するものを当時から読んでいたので「巡礼」という題名で買ったんだと思うんだけど、初期にはイタリア語では読めないから英語ですが、読み始めたら難しいので、?????となってほったらかしていました。今日久しぶりに見つけて、パブロ・コエーリョの作品だと気づきました。これは中世史の本ではなく幻想文学だから、分からなかったのは当然だと自分を笑ってしまいました。南米の幻想文学も大好きなので時間があったら読みたいけれど、先に読むべき本が沢山あります。
自分に関するもの、写真やノート、手紙などもどうやって捨てるか考えるのが面倒。初めてイタリアへ行った時の写真など見ると、いつだって自分はデブだと思っていたのに、今見るとちっとも太ってなくてびっくりです。当時は体重はなかったけど、丸顔なのでいつだって写真が嫌いでした。今は、本棚叩き壊すのに、体重が役に立つ次第です😂