天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【イタリアの街】ナポリ周辺:古代の夢と島

2018年9月27〜28日(六、七日目)

 

残り二日のナポリをどう過ごすか、【提案2】はお天気が悪かったら却下、だって外を歩く内容だから。

 

Palazzo degli Spiriti

 

ナポリの周辺には素晴らしい島がいくつもあり、古代から理想の休暇場所と考えられてきました。古代ローマの有名人たちの別荘などがあったのが分かっています。

 

Nisida

 

ニシダ(どうしても西田と変換)島では紀元前44年にブルータスがカエサルの暗殺を練りました。ブルータスの自慢の別荘があった場所です。そんな素晴らしい島は現在少年刑務所で、一般には行くことができません。刑務所にも色々あるな〜。カプリ島にはティベルティウスやアウグストゥス等皇帝の別荘がありました。今は壮絶な休暇用観光地です。ガイオーラ島にも古代ローマ帝政期にいくつもの別荘がありました。

 

Gaiola

 

で私が考えているのは、カプリなどナポリからポジターノアマルフィ方面ではなく、反対にポジッリポの向こう側です。

 

Procida

 

プロチダ島です。ディズニーランドでしょうか?いや本物です。新しく作ったわけではありません。奥にはもっと大きくて有名なイスキア島もあります。イタリア旅行でカラフルな家って言うと、チンクエテッレを思い出す人が多いのはなぜでしょう?旅行代理店の仕業に違いありません。だってイタリアには、あっちこっちにカラフルなお家の群れ風景があるのだから。

 

Ischia

 

イスキア島は紀元前8世紀には温泉がある保養地としてギリシャ人に愛されていました。そして向かいの本土にはクマエが建設されます。クマエと聞いただけで、西洋文化を勉強していたら憧れるのではないでしょうか。クマエには古代アポロン神殿があり、そこにはアポロンの神託を使える巫女たちが住んでいました。シビラと言います。あの女性が苦手なミケランジェロが描いた最も魅力的な女性たちは、システィーナ礼拝堂のシビラだと思います。

 

Santa Maria Soccorso

 

イスキアはその後も発展し、写真のように島全体が中世には要塞化されます。「お助けの聖母マリア」聖堂は島の崖っぷちにあり、船乗りたちのエクスヴォート(奉納物)で知られています。ここでは、夕日が沈む時緑の光線を拝める、とかアーサー王の妹のモルガン姫の蜃気楼が現れるとか、伝えられてきました。そんな伝説が似合うような場所です。

 

Cuma

 

先に書いたようにクマエは紀元前8世紀にイスキア島のギリシャ人によって建設されました。今は完全な考古学地区で、街は離れたところにあります。つい最近付近の海から壮大な屋敷跡が発見されて話題になりました。

 

何千年も海底に居た彫像たち。床モザイクや柱の跡などもはっきり分かる

 

 

シビラの宣託を聞いに行くための凝灰石の洞窟トンネル

 

以前からこのトンネルが通って見たかった!このトンネルを通過する者はどんな気持ちだったのか、国の運命を左右するような一大事に、引き締まった思いだったことでしょう。トンネルを抜けると古代ローマの地下神殿、ゼウス神殿、アポロ神殿の遺跡があります。ちなみにアポロンから予言能力と千年の命をもらったシビラですが、アンチエイジングのお願いを忘れたため超お婆さんになって死んだそうです😢え〜ん。そんな長生きしたくないよー。

 

Gaiola

 

丸一日、外をあちこち歩きながら最高のナポリ湾を堪能するのですが、問題はそれぞれが結構離れているし、島だから時間がかかるので全部はとても行けないと言うこと。選ばないとね。難しい選択ですが・・ビーチ派ならガイオーラ島でしょう。特に何も無いけど小さな島二つが渡れて、潜ったりできます。最初の方の写真がそうです。

 

 

ナポリからプロチダやイスキアなどへ向かう船はあるけど、ナポリからクーマまで地下鉄で50分乗って、そこからぶらぶら歩いて考古学散歩し、お昼を食べてタクシーで港まで行き、4時間に一本プロチダ行き船があって15分で着く。どうかな?考えて見て

 

Posillipo

 

ポジッリポを眺めながらナポリへ帰るかな

 

 

 

 

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