天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【本】イタリア語学習者へ:文法書

家具のような本棚を叩き壊し、パイプ本棚キット一組から二つ本棚を作り、やっと一応整理したので、本の紹介を始めます。

 

私は中世西洋美術の研究者でオープン大学では「西洋美術史」と「イタリア史」の講座を持っています。内容も当然それに関する本になるでしょう。それにしても本を整理するのにだいぶ処分したんだけど、日本では洋書は全く売れないところが多くて、ブックオフなんか驚愕の一冊5円。新品同様の英語読本だったのに。お金にならないのはわかってるけど、沢山あったからほんと誰かにもらって欲しかった。

 

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Todi, Umbria

本気で勉強するなら「辞書」と「文法書」は絶対必要。逆に言えば、いい加減になんとなくちょこっと会話したいなら必要無いよ。

 

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イタリア語文法書

英語に関しては圧倒的に解説書も多いし、なかなか良い本もあるけれどイタリア語はあまり選択肢がない。本気で勉強する人向けには坂本鉄男著「現代イタリア語文法」が古典的必読書。古典的っていうのは、まさに日本語自体も古典的で本を読み慣れていない人には日本語も難しいかも知れないけれど、日本語の勉強にもなるよ。イタリア語文法全てが真面目に解説してある。隣の「イタリア文解読法」は要らないけれど、私は語学オタクですって人にはお勧めの本。例文が多い。

 

もっと最近の新しい本も色々出てるけど、これぞって一冊は見つけていません。この二冊は相当硬い本なので、ちょっと勉強するにはイタリア語検定のための「突破」ものが出ているから、これで文法は一応勉強できる。過去問は文法解説がほとんど無いので、突破ね、間違えないように気をつけて。

 

一番左に見えるアントニオ・マイッツァ著「イタリア語、初歩の初歩」は気軽に始めるグループ授業用に用意しました。これ一冊でサブタイトルの「聴ける、読める、書ける、話せる」わけはなく、一人で勉強するにはお勧めできないけれど、誰かに教えてもらえるなら使える本です。薄くて安い。真面目な語学文法書では無いので、読み書き、フレーズや単語に慣れるのを目標にするには悪く無い内容です。ちょこっとイタリアの習慣などに関する説明もある。こういう本にはほとんどCDが添付されているので、とにかく聞きましょう。と言っても、ただ聞き流してるんじゃできるようにはならない。聞いて、自分で必ず発音しよう。

 

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Duomo, Milano

なんでもそうだけど、目標を決めて最初の一ヶ月は毎日勉強して頑張る事。最初は何もかも新しく、どんどんできるようになるから面白いので、初期に一気に進もう。それが語学勉強のコツのひとつ。

 

そうそう辞書は小学館の中辞典しかない。電子辞書に入ってるのが小学館か確認してね。ちなみに私のはカシオじゃなくセイコーSIIランダムハウス搭載の英語辞典にイタリア語チップを差して使っています。電子辞書の金額は、搭載されている辞書によって値段が全然違うから自分に合ったものを探してください。ちょっとみたところ中古だと5、6千円から出てるけどSIIのプロ用はその10倍以上します。本が好きな人なら紙の辞書は本当に素晴らしい。時間があれば、関連単語が一気に目に入ってくるなど紙の方が絶対に勉強になるよ。

 

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