題名:クリムゾン・ピーク
監督:ギレルモ・デル・トロ
制作:2015年 アメリカ、カナダ
仕事はないけど時間だけはあるので、やたら本が読めてそれだけは素晴らしい。
でも論文やイタリア語を読み疲れると、夜映画見ちゃう。でなぜ今頃2015年の映画なのって思うけど、文学史を色々調べていて、ゴシック小説について読んでたら「クリムゾン・ピーク」を思い出しちゃったのだ。
や〜、二度目でもしっかり観ちゃった。ゴシック・ホラーが好きっ!!ってこともないんだけど、これはゴシック・ホラー映画の中では最高峰。ホラー好きではあるけど、ホラーならなんでも良いわけでは当然なくて、ただ汚くて気持ち悪いのは嫌い。この映画綺麗。ゴシック・ホラーの良いとこは大抵綺麗ってこと。ゴシック聖堂が元なんだから当然。ギレルモ・デル・トロってすごく評価の高い監督で、私もかなり観てるけど、彼の作品中これが一番好きかも。ダーク・ファンタジーの巨匠だから仕方ないけど、美しさとおどろおどろしくて気持ち悪い対比がほぼ必ずあって、私は彼の気持ち悪い映像が好きじゃないから、デル・トロ、サイコー!とか言えない。この映画でも幽霊があんなに醜い必要あるのかな〜?とかは思う。
でもトム・ヒドルストンは絶品💖 ロキ(アヴェンジャーズのヴィラン)なんかより百万倍こっちの役が合ってるっとつくづく思いながら見惚れてました。3人が主人公だけど、女性二人はかすみ気味。変態で怖い役のジェスカ・チャスティンはまともに綺麗だけど、表向き一番の主役ミア・ワシコウスカが全くか弱くないから、観てて全然怖くない。ゴシック・ホラーもので重要なドレスやお屋敷は当然ゴシックらしく素敵。ここでちょこっと専門家らしいことを言うと、あれは歴史上11世期末から始まる美術様式のゴシックではなく、近代イギリスで最も流行ったゴシック・リヴァイバルを基にデザインされてます。すごく寒そうだから暑い夏にどうぞ。