天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【イタリア語・キリスト教】Tutti i Giorni❣️L'italiano:andare  神と共に行く

andare con Dio!

andare col cavallo di S.Francesco

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聖母に戴冠する神

今日はandareと言う動詞を覚えます。

andareは最重要動詞の一つで、だいたい英語のgoに相当します。

日常的で頻度の高い動詞ほど不規則変化なので、これも不規則です。

 

andare(原形)アンダーレ

io vado ヴァード

tu vai ヴァイ

lui/lei va ヴァ

noi andiamo アンディァーモ

voi andate アンダーテ

loro vanno ヴァンノ

 

と言っても赤字で示した語尾変化はほぼ全ての動詞で同じだから、勉強する人は何より先にこの主格と動詞の変化を暗記しましょう。

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ヴァチカン博物館の牧人イエス

Vado a Roma. 私はローマへ行く:肯定文

Dove vai ? (君は)どこへ行くの?:疑問文

Andiamo in centro! (私たちは)中心街へ行こうよ:感嘆文

 

と言うのが基本的な使用法ですが、様々な方法で使用できる他、慣用句もたくさんあります。

私はイタリア語を勉強しながら、いかに日常生活にキリスト教関連の単語が混じり込んでいるかを痛感しました。生活していると、驚いたり、喜んだり、ガッカリしたり、悪態をついている声が一年中聞こえてきますが、聖人の名前を叫ぶ場合が多いのです。

Madonna! マッドンナ! 聖母の名を呼ぶのは性別、年齢の差を超え全国的。

Oddio! オッディーオ! も元は「神よ(助けたまえ)」に由来するだろうし

地方の聖人の名を口にするのは減少傾向にあるとは言え、本を読んでいれば出てきます。

Porco San Pietro! 聖ペテロの豚めっ  とかね。

 

なので「行く」と結びついた例を二つ頭に挙げました。

 

andare con Dio! 

は命令文で二人称で使います。

なので現実には

Va con Dio! お前、神と共に行けよっ

Andate con Dio! あんたたち、神様と行っちゃってっ

 

「ほっといてくれ」と言いたい時に。

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現在のジォットの聖フランチェスコ一場面

andare col cavallo di S.Francesco

聖フランチェスコの馬で行く

は何度も読んだことのある使用法です。

「歩いてゆく」と言う意味です。

世界中で最も愛されるこの聖人は、貧困と結婚したので常に素足でしたし、どんなに遠くても世界中どこへでも歩いて行ったからです。

 

*andareは不完全自動詞ですから後に前置詞を伴って文を作ります。

 

Anch'io vado col cavallo di S.Francesco, perche` non voglio prendere nessun treno.

私も歩いて行きます。電車に乗りたくないので。

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研究で判明した本来の色。馬は白かった。

なんで普通に言えないの?と思うかもしれません。camminare(歩く)と言う単語もあるのですが、様々な表現を知っていた方が、自分自身の考え方も広がるし、何よりイタリア語は文学的な表現が多発するので、それを楽しめる人ができるようになると思います。

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Assisi

単語を丸暗記するのではなく、歴史や思想背景と共に覚えるのが、私には楽しいのです。

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