Yさんが書いてくれました。いつものようにそのまま貼り付けます。
ナポリ10日間の旅
美術館、博物館、
東京の美術館で絵画鑑賞するのとは全く別世界でした。
一歩建物に入ると天井から柱、壁、
広大な敷地に建つカポディモンテ美術館では、
移動は基本的に地下鉄とバスだったのですが、
特に印象に残ったのは、サンセヴェーロ礼拝堂です。
「ヴェールに包まれたキリスト」は、本当の人くらいの大きさで、
すべてが初めての体験で、
同時に、見れば見るほど自分の不勉強さを思い知り、
Cappella San Severo, Napoli
真面目に鑑賞したり、説明を聞いたりしていれば誰でも、いかに自分が知らないかと思うことでしょう。そして知れば知るほど面白くなって、自分の知識の広がりとともに、世界観まで変わってくるかも知れません。
本当のキリストはあのような西洋人の顔をしていません。もっとシリア系の顔立ちだったはずです。でもあれはまさに西洋人が思い描く、ヨーロッパ化されたキリスト教の理想像の一つだと思います。技術はあまりにも素晴らしく、石であるのが不思議ですが、作者のサンマルティーノはあれに心血を注ぎすぎたため、他の作品があまりありません。私としては、このことは残念なことですが、ある意味芸術家と作品の関係という点で得意な作品でもあり、興味を引きます。
Yさんはとても周囲に気を使う人で、そのためなかなか書きたいことが書けなかったようです。ネット上には醜い個人攻撃や誹謗中傷もありますが、そんな内容でさえなければ、自由に思ったことを表現することが本当の感想だし、芸術の本質に通じることではないでしょうか。自由な感想もお待ちしています。彼女は今回申し込んだのが非常に遅く、飛行機代がみんなよりかなりかかりました。それにも関わらず、行きたいという強い意欲があったから一緒に旅ができました。必ずまた行けるでしょう。
*ちなみにこの聖堂は一切写真禁止なので、ナポリのイベント時の写真を使わせていただきました。他には私のサイトには、美術書や聖堂サイトの写真を転用させていただいてます。