天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【旅】聖フランチェスコも泊まったB&B

写真は最初の宿、ブリンディシのB&BB&Bって「寝台と朝食」って意味だけど、イタリアの場合ホテルじゃない個人経営の宿って感じ。目の前が工事中でなければずっと良い感じだったと思う。ネットケーブルを埋める工事をしていて翌日には埋まってた。慣れない人にはボロボロに見えるけど、これはイタリアによくある、古い建築物を修復したという証拠みたいなもので、意図的に昔の壁や柱などを見せるようになってる。脇の小道にはブーゲンビリアが咲いてて中庭があり写真よりずっと素敵。

 

AntonellaHome, Brindisi

 

この宿はオーナー夫婦が最高だった。何しろ夜の11時前にブリンディシの空港に迎えに来てくれて、帰りも駅まで車を出してくれ、焼きたての巨大なお菓子山盛りと自分のワイナリーからプーリアの有名なワインをお土産にもらいました。元は聖堂で工房に改築し、今はB&Bとなっている部屋も作りは面白いし、シーツがカビ臭くなければ満点だったのに残念!でも安いしたった一泊でこれだけ親切は文句なく最高!

 

 

Antonella Home, Brindisi

 

二件目のバーリのB&Bのオーナーはまだ若い女性で、15才の時から北部で働いでホテル業を学んで、最近プーリアの人気が上昇してるから自分で営業始めたっていうやる気満々のバーリっ子。契約書も一番きちんとしていて頑張ってるのがよく分かるし、バーリの大きなビルを改造したアパートは、シンプルだけど内装を新たにして清潔。最高だったのは彼女の手作り朝食で、バーリ風ブルスケッタは稀に見る美味しさだった。

 

ビトントはホテル評価サイトで満点を点けました。っていうか点けざるを得ないよ。宿を引き払った時、M女子が眼鏡を忘れちゃったんだけど、それが彼女の持ち物で最高額の良い品だったので、日本に送って貰えないかお願いしたら、次の宿の違う街までオーナーが届けに来てくれた!!眼鏡を受け取ったのは夜中の11時過ぎだったかな。予約した時からどのオーナーより頻繁に連絡くれて、旅の間中も煩いくらいWhatsUp(欧米で最も使われているラインみたいなやつ)が鳴りまくる、信じ難き親切な人だった。写真は、ルネサンスたけなわ時代の建築物の居間、立派な応接セットでビトント地方紙を読む私(デブでゴメン)の頭上にはロマン主義の絵画。因みに壁は真っ白です。

 

Palazzo Santorelli, Bitonto

 

悪い例も挙げないとね。一番失敗したと思ったのが、カンポバッソのダ・フォフォ。車がたどり着けない中世のほっそーい道にあるのは良いとして、大家が全く現れずWhatsUpで指示を出してくる。鍵がドアの外のへーんなボックスに入れてあって、番号を打ち込んで取り出す。タクシー運転手の若者が奮闘してくれて、なんとか取り出し入室。ドアの鍵も勿論一応かかるけど予備の鍵は壊れていて、とにかく中世の道にあるふっる〜いの建物をなんとか使ってる感じ。イタリアの歴史中央地区の問題は、きちんと修復していれば使えるんだけど、水道やガス設備が問題で、水量が弱く、お湯が不安定。トイレの水量が弱すぎて、自力で何杯も水を流して使いました。掃除はちゃんとしてあるし、家自体はイタリアの地方都市の家が分かってなかなか楽しい。写真で見る通り、キッチンが日本とは違ったイタリア式で、ほとんど毎晩ここで野菜やチーズを買って食事しました。

 

Da Fofo', Campobasso

 

B&Bで痛感したのは、大家とは最初に一度は会えた方がいいって事。今回ナポリの最後の宿GuestArtも大家と会えなかったんだけど、すれ違いがあってちょっと不愉快な思いをした。実際は向こうのミスで得しちゃったんだけど、ズルして税金逃れするつもりなんかこれっぽっちも無いのに、要求されなかったので知らずに払わないで来ちゃった。弁護士だという大家は圧倒的に感じが悪く、日本人の彼女と住んでるというけど、どんな人なのか・・・

 

Rubinis House, Giovinazzo

 

大家とはやりとりだけで会えなかったけど問題なかったのは、ジョヴィナッツォのルビーニ一家の宿。オーナーはギリシャに住んでて連絡は全て彼女と。でも実際動いてくれるのは彼女の家族で、お父さんが40分以上かかるビトントへ車で迎えに来てくれ、部屋は妹さんが整えてくれ、駅までお母さんが送ってくれた。目の前が海の素晴らしい宿は、本当かどうか知らないけど、かの聖フランチェスコが泊まった元修道院を改築したもの!!!私が立っているのは回廊入り口で、背中側の二階に大家一家が住んでいて、私たちが泊まったのは向かい側の一階。赤い鞄が置いてあるのは、使わなかったけど私達のテーブル。中世真っ只中の、石壁はWiFiだけは悪くて、重要な時に繋がらなかった。私は飛行機の乗り換え時間にローマ空港で、イタリアのシムに入れ替えてるから設定次第でイタリア人のように携帯を使えるんだけどさ。

 

PiccoloPrincipe, Isernia

 

イゼルニアの「小さな王子様(星の王子様)」も親族経営で、世話してくれるおば様はすごく親切。部屋はものすごく綺麗で可愛いし家に問題はない。けど家に問題ないのは新興住宅地だから。やっぱり遠い。駅からも旧市街からも、住んでる分にはいいけど旅行者には遠い。イゼルニアでは宿自体が全然無くて選べなかったんだけど、駅前のホテルに部屋が取れなかったのが残念でした。

 

 

                                                                     

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