9月26日(五日目)
ポジターノは却下して、その代わり最高にロマンチックな大修道院で今日を閉めることにしました。何故ってポジターノは呆れた高級観光地で、私の愛する聖堂も特に無いし、そういう軽薄なところは嫌いだから。スタインベックの理想郷は、どうせものすごく変わってしまっていることだしさ。
via Amalfitana
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Amalfi
Sant'Andrea
とにかくアマルフィに着いたら大聖堂へ向かいます。この辺はどこも断崖に家が重なるように建ってるから、階段は避けられない。大聖堂へも登ります。この聖堂の起源は9世紀なんだけど、11世紀に建て直され、その後何度も改築されて、この有名なファサードはなんと18世紀のもの。な〜んだ中世の偽物か。フィレンツェとおんなじだ。
聖堂扉
でも入り口の青銅の彫刻がある扉は千年をちょっと出た辺りの、コンスタンチノープル製で、モンレアーレ(パレルモ)やピサ(トスカーナ)など、この時代に作られた素晴らしい扉を思い出します。扉口のルネッタにある聖アンドレーアのモザイクも正統派のビザンチン様式。パレルモの二つのウルトラ巨大な聖堂(モンレアーレとパレルモ司教座)などに見られるビザンチンとアラブの融合したような、重ねアーチのデザインなども共通しています。この重ねアーチは典型的な地中海ロマネスク様式ですが、それは1276年に完成した塔でも繰り返されています。
南イタリアでよく目にする凝ったアーチと焼き物での装飾
Chiostro del Paradiso
「天国の回廊」は1266年頃の製作です。白と完全な幾何学模様に、中庭の棕櫚の葉が映える空間は、ガウディも感銘を受けたのではないかと勝手に想像したくなります。
聖堂内には博物館も併設されていますが、ナポリで山ほど観るのでここでは飛ばしても良いでしょう。階段だらけの街は世界的な観光地なのでお土産やさんはあちこちにあります。
「天然バイアグラ5ユーロ」と書かれています。なんのことはない鷹の爪です。こういう香料&薬味のお店は、日本では見ないけど、海外にはスパイスショップってよくあって、私は好きでつい見ちゃう。お決まりのリモンチェッロ(レモンのお酒)は煩いくらい売っています。
Limoncello
上記二つがアマルフィの特産物だとか。リモンチェッロは何度も飲んだことがあるけれど、すごく甘いこってりした強いお酒だから、ゴクゴク飲むものじゃなくて、夏にカンカンに冷やして呑みます。特徴のある味だから似たり寄ったりと思うかもしれないけど、実は当然ながら美味しいのと、いかにもお土産品ってのとでかなり違う。
アマルフィは大聖堂だけでなく、坂道をぶらぶらする予定。素敵なカフェがあったら休むのもいいけど、最高に素敵なのはこの後!