天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【 イタリアの街】ナポリ:聖エルモ城、聖マルティーノ修道院

2018年9月23日(日曜日)二日目の午後

 

お昼は超有名ですがウルトラ敷居の低いラーメン屋さんみたいなピッツェリーアへ行こうか?と書いた矢先ですが、ナポリにいる間に一度は必ず行きたいと思ってはいるものの、初日の夜に行ってもいいかな。

 

昼食後は複合チケットの残り、聖エルモ城と聖マルティー修道院へ行きます。

 

 Presepio

 

宿の周辺はバス停がいくつもあるし、ちょっと歩いてわざわざフニコラーレ(登山電車ができたので〜🎶)に乗ってもいいし、とにかくヴォーメロへ登ります。

 

 

Vomero

 

ヴォーメロはナポリの高級住宅地でお店も沢山ある所。違うけどナポリの表参道かな〜?カポディモンテのように一段と高い丘なので、歴史的に支配者たちの住まい、そしてかつての支配者たちは大支配、大搾取しておきながら信心深いので、自分の家のすぐそばに修道院を建てたから、お城と大修道院の複合施設が聳えています。

 

航空写真を見てください。変形六角形がお城(戦いのための形をしています)、その右下にある四角い部分が大修道院の回廊と中庭です。

 

聖エルモ城から見た大修道院の一部とヴェスヴィオ火山

 

 

 

Vedi Napoli e poi muori(ナポリを見て死ね)

 

このかっこいい言葉はゲーテが「イタリア紀行」の中で書いて有名になりましたが、彼の創作ではなく、地元の人はそう言ってる、と書いています。な〜んだ。地元贔屓(ヒイキってこう書くんだ)だったのか・・。でもまあ、西洋史に燦然と輝く都会、特に古代から中世にかけてナポリの右に出るような大都市は無かったという見方もできるから、そう言いたくもなるか。

 

 

Castel Sant'Elmo

 

エルモ城は実を言うと、行ったことがありません。今回ぜひ行きたい所の一つです。1275年からシャルル・ダンジュー(アンンジュー家)のお家🏠でした。16世紀に大砲用の要塞に変化して、ギザギザした形になりました。要するに街を管理するための要塞です。ナポリは、海の二つの城と丘の上の城、さらに街中に一つと巨大な城群で市民を包囲していたのです。1799年にパルテノペア(ナポリの古代名)共和国の反乱が起こり、市民に外国王室は追放されますが、あっという間に取り返され、反乱者たちは惨殺されたりこの城へ投獄されました。その中にユートピア思想で高名な修道士、トンマーゾ・カンパネッラが居ました。彼は宮沢賢治にも絶大な影響を与えた人です。その証拠に「銀河鉄道の夜」に彼の名が見られるし、賢治自身、理想共和国イーハドーブの実現に着手しました。(院生だった頃知り合ったイタリア人女性は、宮沢賢治の研究をしていたのが思い出されます。)

 

 

 

 

ここは360度ナポリが見渡せる場所にあり、最大の絶景ポイント💖

 

お城を歩き回って、牢獄の歴史と絶景を堪能したら、足元の聖マルティーノ大修道院へ。

 

San Martino

 

修道院にはありがちですが、この世の天国を表すのか、呆れた素晴らしさ、壮大さです。お城を歩いて腹ごなしをした後、大修道院には様々な施設がありずっと見がいがあります。まず骸骨の装飾が有名な大回廊。ナポリが一望できる優雅な空間。以前書いているのでリンクを見てください。

 

https://artsaba.blogspot.com/search?q=%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8E

 

皆違った骸骨がいっぱい並んでいる中庭

 

教会はナポリ守護聖人ジェンナーロの宝物館で、ナポリバロックが炸裂。その他歴代の主人たちが使用した馬車が集められていたり、聖フランチェスコが考案したと言うプレセピオの博物館(イタリアにはよくある)で最高最大がここです。

 

Presepio

 

ナポリでは一々大きくて、歩くだけで大変ですが、これで複合券を使いきりました。本当にお得です。ゆっくり休みながら時間をかけて見学しましょう。

 

今日は間違いなくヴォーメロで夕食。沢山あるしカジノまである。お店を見ながらぶらぶらして決めたらいいね。

 

夜の聖エルモと聖マルティー

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