2016年のアカデミー賞だから、今頃なんだっていう感じなんだけど、最近ハマりまくって何度も観てる。ヴィデオ止めて「え?今なんて言った?」みたいにして。ちなみにこのドラマ、すごくセリフ少ないんだけど、いわゆる教科書英語とは全く違うから、私のような素人には大変でした。
アカデミー賞受賞っていうのには騙されない、って思ってた。くだらない映画も多いから。でもこれは本当に最高で、アカデミー賞も捨てたもんじゃないと見直しました。
世界的にはものすごく高い評価なのに、日本ではつまらない映画って受け取られてる。予想通り。どうしてだろう?馬鹿らしい派手なアクションとか、単純明快なストーリー性とか、そういうのは子供が見るものでしょ。もっと深い社会性や思想、映像美や詩的な表現を理解してもいい頃なんじゃないの?この映画は全くそういうもの。
アイコンになってる黒人少年の顔は実は三人の顔を張り合わせてできてる。リトル(ちび)って言われた少年期、背だけ伸びたティーン時代のシャロン(本名)、肉体改造して売人になった青年期のブラックと三部作になっていて、3人の別の俳優の顔が貼り合わされている。よく観ないと気づかないほどよくできている。写真だけじゃなくて、演技も素人俳優ばかりで顔自体は全然似てないのに、同じ人物に思わせる一貫性が本当に見事。
いじめ、貧困、黒人(人種差別)、同性愛、それが複雑に絡み合った社会問題を取り扱った作品なのに、全くあり得ないくらいの純粋な愛と、ハッとさせられるシンプルにも関わらず、非常に繊細で独創的な映像美、それに独特な音楽の使い方。すごく芸術的な映画だった。
個人的にはブラックを演じたヴァレンテ・ローズの格好良さが別の楽しみ💖元陸上競技選手らしく、筋肉そのものがもう芸術的に美しい!
ぜひ観て欲しい💖