天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【街】Taormina タオルミーナ

首都大学東京オープンユニヴァーシティの講座で【イタリアの街】をテーマに授業しています。


2回目はシチリアタオルミーナでした。


タオルミーナは世界のリゾート観光地として知られた場所。輝く太陽、それを受けてキラキラ反射する海、白く照り返す岩肌を持つ土地にはうちわサボテンの巨大な草叢(?)、ところどころにある古い聖堂、可愛くていかにも美味しそうなレストランやカフェ、南欧らしい大胆な色の焼き物を売るお土産屋さんが目白押し・・・。新婚旅行にも大人気の観光地。歩くなら1時間で歩けてしまうほど小さいから、迷わないし安心できるので、みんな笑顔でくつろいでる。


自然美と古代のロマンを同時に堪能できるお手軽観光地として、シチリアでは圧倒的人気第1位。日本人はほとんど立ち寄るか一泊程度の人ばかり。

 



でも南イタリアのほとんどの街がそうであるように起源はめっちゃ古く長い歴史を持っている。から、歴史が好きな人なら、最低3日は居たい場所。世界一美しい(間違いない)古代劇場があり、夏には現在も上演されるし、古代ローマの社会を実感できる驚愕の遺跡。中世には壮大だったドメニコ会の修道院がセレブの超リッチなホテルに改装されながらも、ひっそりと壁や壁龕に当時の美術を残していたり、道にはノルマン王朝の王達の名がつけられている。


ただタオルミーナだけ行ってシチリアを知ったことには全くならない。全く異質の場所だから。シチリアの良さは別の場所で。観光地嫌いの私でも、納得させられるかな。

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