天使たちの西洋美術

美術、イタリア、読書を愛する西洋美術研究者SSの思ったこと

【イタリアの街】去年訪問した大天使の洞窟から

2018年にはモリーゼ州を訪れ、イタリア20州を一応すべて踏破しました。モリーゼの情報はあまりにも少なく、イタリア観光局や大使館は言わずもがな全く役に立ちませんでしたので、ネットで調べて研究者と思われる、専門的な知識のありそうな人たちとコンタクトを取り大変お世話になりました。

 

 

Sant'Angelo in Grotte

 

 

その中の一人、大天使ミカエルの洞窟を管理するグリエルモさんからお写真が送られてきたので観てください。去年の秋、私たちはここを訪れました。もちろんその時は、しっとりした緑色の風景でした。

 

 

想像を絶する歓迎を受け、小さな町の市長さんたちや愛郷心に満ちた、歴史や文化を愛する人たちとまみえた事には、感謝の気持ちで一杯です。

 

 

旅行代理店を使ってのツアーなら、表面的で部分的な情報(しかも誤っている可能性も少なくない)とバス代で4日借り切ったら一体幾らになるか分からない。昨日、「フェルメール追っかけツアー・ニューヨーク+ヨーロッパ、168万円〜」という宣伝が来ました。びっくりです。フェルメールよりも素晴らしい画家は世の中に幾らでもいるし、どの町もある程度じっくり観なければきっと忘れてしまうでしょう。

 

 

私たちが入った洞窟の入り口だけは、雪かきがされているようです。

 

 

小さな町のメインストリートは雪で埋もれています。イエスの誕生を知らせた星が一つ。不恰好なところが、また愛らしい。あそこを歩いた記憶がくっきりと輪郭を持って浮かび上がる。それは観光バスと飛行機の飛び回りツアーでは絶対にありえない事だと思います。

 

2019年の旅は北イタリアで、既に知人が多いし、モリーゼと違ってずっと拓けた場所だから、人々との関わりも当然違って来るでしょう。どうなることやら。楽しみにしてね🌟

【イタリアの街】ルッカ市と国立市の姉妹都市提携で

昨日は一日通訳接待のヴォランティアをしました。

 

トスカーナ州の街ルッカフィレンツェやピサに次ぐ規模の街ですが、その2都市に比較しずっと中世の街並みが保存されていて、異常な観光化もなく素晴らしいところです。私にとっては大学院に行こうと決めた時に論文の主題に選んだのがこの街の大聖堂にある特別な磔刑像で、個人的にもすごく思い入れのある街です。だいたい今、見てくれているこのサイトの表題もルッカの景色です。

 

そんなルッカと地元国立が姉妹都市提携を進めていて、そのために去年は国立から市長さんらが視察に行きました。私には想像もできない、飛行機入れて三日間の旅です!なので街を観れたのは1日ですが、それでも全くヨーロッパの古都を知らない人にとっては大きな驚きだったようです。

 

San Michele a Foro, Lucca

 

で、今回は二週間ルッカ市長秘書が夫人と一緒に日本に遊びに来ました。飛行機入れないで二週間です。もちろん国立にずっといるわけはなく京都はじめあちこち観光しています。もうすぐ帰らねばならないのが大変辛く、風邪を押して今日も鎌倉、明日は日光と頑張っています。昔は日本人ばかり弾丸ツアーを結構すると笑われていたけれど、そんなことはないよね。世界中の人が旅するようになった今、最初はその国の見所をあちこち回るのが当たり前になりました。きっと昔は旅をできる人が限られていて、そういう人は焦ってあちこち回る必要がなかったんでしょうね。

 

Bancarella dei libri,Lucca 

 

私はそんな特権階級からは極めて程遠い人間ですが、貧乏でも大好きなことを仕事にしたいと思って現在に至っているので、イタリアばかり全国回っています。弾丸ではなくゆっくりじっくり旅するほうが、結局多くの人にとっても思い出深い旅になると感じているので、あんまり移動しない一週間のイタリア旅行を毎年計画しています。できるだけホテルに泊まらないのも特徴です。ホテルはどの国でも似たり寄ったりだし、楽だけど面白みに欠けるのに対して、修道院とか民泊みたいなところはそれぞれにすごく特徴があって、人との付き合いが濃いので印象的です。時には、修道女に怒られたりしますが・・。

 

Torre della famiglia Guinigi, Lucca

 

時期は9月初頭から10月にかけてなんだけど、今年はどこに行こうかまだ決まってなくて困ってるところ。南部の方が体力を要するので、できるだけ若いうちに行った方が良いという気もするんだけど、この数年北部にご無沙汰なのでルッカを含めてその辺に行こうかとか、早く決めないと飛行機が高くなっちゃう!

 

Palazzo Mansi, Lucca

 

今日から「西洋美術の基礎知識・素材編」が始まります。そこでも告知するけど興味がある人は知らせてね。是非一緒に行きましょう!以下に連絡ちょうだい。

 

romanici@gmail.com

 

s.Frediano, Lucca

 

Buon Anno! あけましておめでとうございます

*以前のサイトからの引越しで季節外れですみません。

 

Buon Anno(ブォナンノ)!

Felice Anno Nuovo(フェリーチェ・アンノ・ヌオーヴォ)!

 

謹賀新年

 

Paestum

 

ご挨拶が終わったところで、今年も「イタリア美術と歴史の旅」をするので、新年会兼ねて集まりたい。写真は去年行ったパエストゥム。知れば知るほど古代ギリシャの凄さを思い知らされ、神殿を目の前にして、当時に想いを馳せます。今年もやっぱり9月に発とうと思ってる。

 

Campobasso

 

私がずっと授業している首都大学東京オープンユニヴァーシティの講座は、冬季はちょっと変則です。南大沢は三日間(1月10、17、24日)のプチ集中講座。年末から資料作りに励んでいます。

 

Modigliani

 

飯田橋の講座は1月12日から毎週連続で土曜日の午後を一緒に過ごすことになる。「西洋美術の基礎知識」をしっかり確認。建築、彫刻、絵画だけでなく工芸も視野に入れてるし、現代まで扱うから、すごくバラエティに富んだ内容です💕

 

両方の講座のリンクです

 

西洋美術好きの人たちの交流も深められたら最高です。授業の他に今年のイタリアの旅についても話し合いたいから、ぜひ来てね!待ってる!

 

 

【旅】2019年のイタリアの旅も行きたいところだらけ

*行き先は決まりました。

 

毎年行っている「イタリア、美術と歴史の旅」ですが今年もやろうと思います。何と言っても航空券が安いから、早く決めたい。航空券の値段なんか見ちゃうと、急に現実的になっちゃうよね。

 

Amalfi

 

毎年行く度に、今までで一番良かったって印象を持つのはもちろん素晴らしいことだけど、だからって同じ所ばっかり行っていられない。今年訪問して、信じられないくらいお世話になった建築家、美術史家兼小説家の地方の名士フランコ・ヴァレンテと彼の友人たちへは会いに行くことになると思うけど、モリーゼだけってのもあり得ない。

 

Molise

 

今年は一応イタリア全20州訪問を達成したんだけど、カラーブリアはチラ見だから2019年は、かの有名なリアーチェの兵士が地元博物館へ帰還したので会いに行ってこようかと思います。紀元前5世紀のギリシャ文化がどれ程のものだったか、驚嘆!としか言いようがない。男性美に溢れたあまりに美しく完璧な作二体。

 

Bronzi di Riace(内の一体)

 

でもモリーゼに次ぐ難度の高いカラーブリアの旅について来てくれる人はいるかな〜?今年行けなかったプーリアの最南端(レッチェやオトラント)や有名なマテーラのあるバジリカータと合わせようと思うんだけど・・シチーリアは目の前だから、メッシーナへ渡るって手もあるね❤️

 

Calabria

 

その気のある人連絡してね。romanici@gmail.com

 

 

 

【美術と文化】Buon Natale!赤ちゃんイエス

*2018年の記事を移しています

 

恐るな

私は、民全体に与えられる大きな喜びを告げる

今日ダビデの町で、あなた方のために救い主がお生まれになった

この方こそ主メシアである

あなた方は、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう

これがあなた方へのしるしである

 

 

いと高き所には栄光

神にあれ

地には平和

御心にかなう人にあれ

 

 

世界で最も有名なプレセピオです。ルカの福音書第二章にある通り、天使の大群が空を舞っています。その下には生まれたばかりの赤ちゃんイエスが、もう手をあげて祝福しています。下の写真の真ん中です。壮大なジオラマは驚くほど精密にできていて、民衆の驚きや遠方からやってくる行列などが、これでもかという程細かく再現されています。その中心で、小さいながらも威厳のある美しい赤ちゃんイエスに全ての注目とエネルギーが集約された作品となっています。ナポリの丘の上の大修道院博物館聖マルティーノにて。

 

平和あれ

【美術と文化】Buon Natale! クリスマスとプレセピオ

*2018年の記事を移しています。

 

Buon Natale : ブォン・ナターレ

 

Presepio, Museo, Certosa di San Martino, Napoli

 

今年はナポリで山のように御聖誕風景を拝んで来ました。

プレセ(ゼ)ピオはイエス・キリスト(救世主)の誕生を祝う場面を3次元的に表現したもので、アッシージの聖フランチェスコが本物の赤ちゃんを使って表したのが最初と言われています。カトリックの国々ではツリーよりよほどプレセピオの方が伝統的で、様々な素材やサイズで作られます。あちこちの博物館、美術館にプレセピオのコーナーが設けてあります。特にナポリは圧倒的なジオラマが有名です。

 

この中世末期らしい木彫の場面には、最も大切なものが欠けています。そう、生まれたばかりのイエスGesu' Bambinoがありません。それは明日、最後に置かれるものだからです。明日をお楽しみに!

【生活文化】イタリア式化粧法と

私は生まれつき肌が弱くてアレルギー体質なので、ダメな化粧品もあります。ほんと面倒な体質で嫌んなっちゃうけど仕方ないね。天然なら良いってわけでもなくて、馬油とかサメとか糠とか全然ダメでした😞

 

その上、シャンプーとか化粧品には良い香りがして欲しいのですが勿論どんな匂いでもいいわけはなく、日本で好きなものが見つけられません。大変残念です。日本製は自然に配慮したものは大抵無香料で味気ないし、匂いがするものは安っぽい嫌な匂いがする。何故だろう?

 

そんなこともあってイタリアに行く度に化粧品も買ってきます。何故かリーズナブルなシャンプーとかも結構好きな匂いがするので幸せです。

 

日本ではこのところドラッグストアってのがアメリカ流なのか、お菓子やら衣料品まがいのものまで売ってたりしてよく分からないけど、イタリアの薬屋さんはもっと薬屋さんらしく白衣の薬剤師が必ず居て(最近日本も一応居るね)医療系(自然派)化粧品の説明もしてくれます。

 

今回のお買い物の一部とお土産サンプル

 

エルボリステリーア(薬草屋さん)を基にした自然派のメーカーが好きなので所謂化粧品のお店でなく薬屋さんに入ります。薬草系化粧品を扱ってるお店とそうで無い普通の薬屋さんとあります。今回はFraisMondeの基礎化粧品をいくつか購入。

 

気になった人はどんな商品か分かるから商品のサイトを貼り付けました。イタリア語だけど写真が綺麗。

 

でも旅の最後の方で何故か黛が見つからなくなったので普通の化粧品屋さんへ。

 

全部違ったメーカー

 

金の口紅(ちょー自然な色でつけてる意味あるのって感じ)はミラノのブランド だからお手頃値段。メタリックレッドはイタリアでは行けるけど、日本だと特別な時しか使えそうに無い「(イタリア)らしさ」につい購入。ブルガリの香水は、あまりにお店が素敵だったのでその記念に。日本では考えられない優雅なお店でした。木立に囲まれた庭があってその奥に小ぶりの別荘みたいな石作の一軒家があるんだけど、そこまで怪しい照明で照らされた長方形のショウケースが並んでいて、その中に香水が展示してある。ものすごく入りにくいお店だけど、入ると良〜い香りで一杯で、店主のおじさんもいかにもって感じでした。イゼルニアの話。勿論資生堂も売ってるよ。

 

化粧品屋さんでは日本のように実演してくれます。なんでもそうだけど日本よりずっと気軽なのでいつもやってもらいます。今回は眉毛を描いてもらったけど、日本よりずっと描いてますって感じ。全てにおいてソフトでヤワ好みの日本に対して、強烈な嗜好を持っているので、合わない人は合わないと思うけど私は好きです。以前日本で、500円払って眉を描いてもらうっていうのをよく見かけました。えーこんなんでお金払ってやってもらう意味あるの?みたいな、よく言えば自然な感じ。イタリアはやったね!って感じでビシッと描いてくれる。

 

https://www.youtube.com/watch?v=x6uyOdT1mjI

 

アメリカのお化粧とイタリアのお化粧法を比較したイタリア人のユーチューブ。実際はもっと強烈にお化粧してる人も多いけど、違いがわかって面白い。顔全部やってもらうと、とんでも無いことになって楽しいよ。イタリア旅行の際はぜひお試しください💋

 

【食】バールの違い:人生と・・

イタリアにいる時はめっちゃ元気なんだけど帰国すると、大抵体調が崩れます。向こうの疲れが出たって言い方もあるかもしれないけど、それより帰国は大抵10月に入ってからで喘息の季節なんだよね。本気の喘息じゃないけれど、父がそうだし体質的にアレルギーがあって風邪じゃなくて、咳喘息の軽いみたいなのが毎年のように襲ってくる💀

 

それと写真整理と授業の準備で更新してませんでした。言い訳。

 

バールはイタリアの命。ちょっと前にイタリアについにスタバが上陸したのが話題になりました。スタバはもともとイタリアのバールを元に考案されたから、本拠地ヘ殴り込みって感じです。ほとんどのもの事はイタリアの場合、北部から南部へ広がるので、当分南部へは来ないと思うから一安心。スタバなんか欲しくない。マックがあるのだってすごく嫌だ。アメリカに犯されるのは日本だけで十分ってのが私の勝手な気持ち。

 

ところでバールってBarって書きます。知らない人はバーだからお酒飲むとこかと思うでしょ。でも喫茶店っていうか、立ち飲み珈琲屋っていうかそういうもので、お酒を置いてるとこの方が少ないです。基本メニューは以下。

 

caffe(カッフェ)日本で言うところのエスプレッソ。

cappuccinoカップッチーノ)泡だてたコーヒー牛乳みたいので朝飲みます。

caffelatte(カッフェラッテ)カフェラテじゃない。泡立ってないコーヒー牛乳。

全てホットが基本。冷たいのは観光者向け、新メニュー。

 

あとはジュース類で

succo di arancia(スッコ・ディ・アランチャ)ビン詰のオレンジジュース。いろんな果物あり。

spremuta di pompelmo(スプレムータ・ディ・ポンペルモ)生搾りジュース。柑橘類。

aranciata(アランチャータ)ファンタオレンジ。発泡系、ほとんど果物無関係。

 

お茶はない。

 

Bitonto

 

私はほぼカッフェを注文するんだけど、南部だとカッフェに必ず水が付いてくる。水が有料なのが当たり前なので北部では無い習慣です。で、水をいつ飲むのか議論があって、先か後か?どっちだと思う?先に飲むのはカッフェを愛する者。味がしっかり分かるように、水で口を綺麗にするんだって。後に飲む人は、口をさっぱりさせたい人。カッフェを愛するならこんな事はしない。・・そうです。貴方ならどうする?

 

Giovinazzo

 

1856年からやってる老舗のバール。イタリアができるより前だ!イタリアにはこう言う歴史を感じさせるバールがあって、それも楽しみの一つ。ここにはすごいお酒のコレクションがあって、日本のお酒も幾つもあった。渋谷でDJやったって言うへ〜んな英語を話すイタリア兄ちゃんがお客で来ていて、相手をしてあげました。

 

これを読んでくれた人からいただいたメールで気付いた事があるので、付け加えます。

 

Isernia

 

イタリアではカッフェをブラックで飲む人は多く無い、と言うか滅多に無い。以前も書いたので、またかと思う人もいるかもしれないけど、あまりに象徴的な話なのでまた書くね。それは、私がペルージャに留学してた大昔の話、昼間バールでカッフェを注文したら(座らないでカウンターが基本)隣のおじさんが「(お砂糖は)幾つ?」と聞いてくれました。カッフェに付いてくる、パック入りの砂糖じゃなくて、バールのカウンターに置いてある砂糖壺に入ったお砂糖を、スプーンで掬ってくれた。私が「ブラック(イタリアでは【苦い】と表現する)が好きなんです。」と言うと、おじさんは即座に「人生は甘く(苦いの反対)あっていいはずだ」と答えたのでした。何十年も前の話だけど今も鮮明に覚えています。

La vita dovrebbe essere dolce

 

なんと素晴らしいのでしょうか!ふっつーの中年のおじさんでした。恩師藤沢道郎先生もよく言ってました。「イタリアではその辺の普通の兄ちゃんが皆詩人だ」って。全くです。自分の言いたいことも表現できない日本人と大違い。

 

Brindisi

 

いただいたメールでは、カッフェはブラックで飲むものと思われているようでしたから、違いますって書きたかったのでした。私は疲れている時しか甘くしないけどさ。

 

 

【旅】3回目のMさんの感想

#イタリア旅

 

今まで出会った多くの生徒さん達の中でも、最も熱心な生徒さんMさんの感想文。

 

Pietracupa


今回の旅は二グループあったのですが、最初の旅は余りにも通な場所で、しかもお世話してくれるイタリア人と過ごす時間が長いと思われたため、前半はイタリア語のある程度分かる、イタリアも何回も行っている人限定にしました。Mさんは前半の少人数組。

 

Brindisi



(以下Mさんの感想そのまま)

先生の旅行に参加したのは今回で3回目です。毎回普通のツアーでは絶対に行かない場所、自分だけでは訪れるのが難しい場所に連れて行ってくださいます。

憧れだったプーリア・ロマネスクの聖堂をいくつも訪ね、大巡礼地のモンテ・サンタンジェロに泊まり、フランコ教授の案内でモリーゼ州を回りました。空気も食べ物も人も本当にすばらしく、ますますイタリアの虜になってしまいました。

今回は特に人びとの温かさに感動してばかりでした。私が忘れてしまっためがねを、ビトントのB&Bオーナーは次の宿までわざわざ届けてくれました。フランコ教授は忙しい中、私たちを案内するため二日間も日程をさいてくださり、行く先々でたくさんの方々に歓待を受けました。もちろんSaba先生が日本にいる時からコーディネートしてくれたおかげでもあります。不安な時や疲れている時には旅の仲間が優しい声をかけてくれました。本当に皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

初めて旅に参加した時には四福音書記者のシンボルさえ知らずにいました。聖書の物語や聖人の話など分かるようになると聖堂巡りも説明を聞くのももっと楽しくなります。モリーゼ州は日本のガイドブックにはほとんど出てこない州ですがロマネスクの聖堂もローマの遺跡も立派なフレスコの残ったお城もあり、イタリアにはこうした場所が無数にあるのだと痛感しました。今までイタリア北部は豊かで、南部は貧しいというイメージでした。しかし、本当の豊かさとは何だろう?と考えさせられました。大きな企業もあり、北部の方が収入が多いということだと思われますが、私には南部の方が豊かだと感じられました。人びとは信仰心が厚く親切だし、食べ物も豊かで物価も驚くほど安いのです。

今回の旅で私が受けた数々の親切や優しさを、自分自身も少しでも実行できる人間になりたいと思いました

 

 

Bari

 

なんかすごい。美術の追求から人間の追求へ。

 

Pozzilli

 

南部の方が食物が豊かなのは確かな気がする。空気や気候は絶対に最高。人は最終的には個人の問題だけど、観光客で迷惑してる街の人々と違って、本当にどこも市長を挙げての歓待ぶりで(それは偏にフランコ・ヴァレンテ氏のお陰です。去年はイタリア国政に打って出るような地域の名士なのだ。)、とにかく私たちは大変幸福な時間を過ごしました。

 

 

 

豊かさとは何かというのは、西洋文明の危機が叫ばれるようになって以降永遠のテーマだけれど、特にトランプや石油産出国が代表するように金銭まみれの人々ばかり露出する、現在の反知性的な風潮の中で真剣に向き合いたい問題。Mさんにそう言われてみれば、前半の旅は特に、今ではまともに口にすることさえできないような純粋な人々に囲まれた旅だった。来年もみんな待ってるよ💕

 

【旅】初めて参加のYさんの感想

Yさんが書いてくれました。いつものようにそのまま貼り付けます。


ナポリ10日間の旅
美術館、博物館、教会をシャワーを浴びるようにイタリアの美術に触れた旅でした。
東京の美術館で絵画鑑賞するのとは全く別世界でした。
一歩建物に入ると天井から柱、壁、床に至るまで丸ごと美術品でした。
広大な敷地に建つカポディモンテ美術館では、途中バールで休憩し再入場をして、暗くなるまで鑑賞を続けました。美術館がこんなに遅くまで開いているというのも驚きました。
移動は基本的に地下鉄とバスだったのですが、帰国の前日ストライキに遇いました。それでも目的地までのバスは動いていたり、目の前で客をおろしたタクシーに乗れたり、こんな偶然あるんだ!と思うほどスムーズに移動できました。
特に印象に残ったのは、サンセヴェーロ礼拝堂です。
「ヴェールに包まれたキリスト」は、本当の人くらいの大きさで、床の上に展示されており、ぐるっと回って見られます。同じ像でも見る方向で変わって見えました。彫刻というより本物のキリストがいるような感覚で、彫刻であることを忘れてしまいそうな像でした。
すべてが初めての体験で、非日常をワクワクドキドキしながらの10日間、まさに冒険の旅でした。
同時に、見れば見るほど自分の不勉強さを思い知り、これは再訪しなければと強く思う旅でもありました。

 

Cappella San Severo, Napoli


真面目に鑑賞したり、説明を聞いたりしていれば誰でも、いかに自分が知らないかと思うことでしょう。そして知れば知るほど面白くなって、自分の知識の広がりとともに、世界観まで変わってくるかも知れません。


本当のキリストはあのような西洋人の顔をしていません。もっとシリア系の顔立ちだったはずです。でもあれはまさに西洋人が思い描く、ヨーロッパ化されたキリスト教の理想像の一つだと思います。技術はあまりにも素晴らしく、石であるのが不思議ですが、作者のサンマルティーノはあれに心血を注ぎすぎたため、他の作品があまりありません。私としては、このことは残念なことですが、ある意味芸術家と作品の関係という点で得意な作品でもあり、興味を引きます。


Yさんはとても周囲に気を使う人で、そのためなかなか書きたいことが書けなかったようです。ネット上には醜い個人攻撃や誹謗中傷もありますが、そんな内容でさえなければ、自由に思ったことを表現することが本当の感想だし、芸術の本質に通じることではないでしょうか。自由な感想もお待ちしています。彼女は今回申し込んだのが非常に遅く、飛行機代がみんなよりかなりかかりました。それにも関わらず、行きたいという強い意欲があったから一緒に旅ができました。必ずまた行けるでしょう。


*ちなみにこの聖堂は一切写真禁止なので、ナポリのイベント時の写真を使わせていただきました。他には私のサイトには、美術書や聖堂サイトの写真を転用させていただいてます。 

【食】驚愕のお料理と異常な日本賛美

イタリアは世界の三大料理国の一つ。と言ったって三つってどこ?イタリア、フランス、中国?今では日本も間違いなく入るだろうし、他にも美味しいものがあるとこはきっとたくさんあるけどま、良いか。

 

Antipasto misto di verdura, Molfetta

 

フランス料理はイタリアのメディチ家から大きく発展したというのは通説だけど、でも考えてみると根本が大きく違う。私に言わせれば、凝りに凝ったフランス料理と素材の新鮮さを生かした単純さが輝くイタリア料理。私は完全に料理の素人だから、勝手に言ってるんだけど、もともと私の食生活は和風ではなくてフランス料理もイタリア料理も好きなので、日本人にしては食べてる方。

 

 

Insalata mista, Mozzarella, Pozzilli

 

ところで、このところテレビで一年中、外国人に日本を褒めさせる番組をやってるでしょ。大嫌いです。そんなに褒めてもらいたいのか?自信が持てなくて悲しい感じがする。日本は十分特異な文化を持ってるんだからそれで良いじゃないか、って思う。

 

Pasta alla pescatore,Bitonto

 

イタリア人だって、「美味しいか?」とか「イタリアは好きか?」って聞くよ。でもしつこくしちゃいけないよね。しつこいってのはいつだってかっこ悪い。なんでこんな話してるかっていうと、連続で、フランスと違って日本の野菜は美味しい、ってテーマの番組を見たから(私はちら見だけど、母がしっかり観ててさ)。そんなのおかしくない?フランスは自給自足できない日本と違う農業大国。イタリア人が日本の野菜が美味しいって言ってるのもやってて、それじゃまるでフランスやイタリアの野菜はまずいみたいに聞こえる。私が感じるのは、美味しい野菜が違うってこと。トマトは百倍イタリアが美味しいけどかぼちゃは百倍日本が美味しい、みたいなね。

 

 

話戻って、今回の旅ではかつてない程美味しいものがたくさん食べられました。なんたってプーリアはイタリアの食材供給量ナンバーワンなんだから当たり前の気もするけど、パスタの種類もたくさんあるし、予想を覆すパスタも食べた。っていうかとても食べきれなかったんだけどね。

 

Spaghetti all'assassina, Molfetta

 

また行きたいレストランも幾つか見つけた中で、一番強烈だったのはモルフェッタの、その名も「女暗殺者のスパゲッティ」。名前に惹かれて質問したら、最大の地元料理で売りだけど二人前以上じゃないと作れないというので二人で頼みました。それが上の写真のパスタ。ゲーーーキーーーーーーーーーーーカーーーラーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!

見てもわかるけど、匂いとか、なんていうかもう空気が辛い!味はすごく美味しいんだけど、平らげたら胃に穴あくんじゃないかって勢いでした。一般にイタリア人は日本人ほど辛いものを食べない。カラーブリアが辛い料理で有名なんだけど、プーリアの海沿いの、最高に爽快な青空の元、この異様な辛さは何なんだって!びっくりでした。辛いもの好きの人に食べてほしいなー。レストランはモルフェッタのLa Rosa Marinaです。ロケーションも最高だよ🚢

 

 

【イタリアの街】結婚式の季節

私たちが発ったのは9月11日でした。私は一ヶ月弱滞在して、その間に二つのグループが10日ほどの旅をしました。(プーリア&モリーゼ組とナポリとその周辺組)実はほぼ同時に別の生徒さんたちもイタリアへ来ていました。彼らはウンブリアを中心に回っていたので会うことはありません。

 

Molfetta

 

その間に3組とも結婚式に遭遇しました。私など何度見たか数えきれないほどってくらいです。9月と6月は一年のうちで最も良い季節。だから結婚式も集中する。日本だったら雨や台風の季節だけど、地中海はとにかく最高です。

 

Procida

 

私の友人達も含め、イタリアで一般的なのは、教会で式をあげること(もちろんキリスト教徒に限る。日本の無節操ビジネス教会とは全く違う。逆に宗教的に思想のある非キリスト教徒たちは役所で調印。)、良いレストランで食事する。名所で撮影しまくる。ですが、やはり北部と南部ではあらゆる点で南部の方が面白い。派手、騒ぐ、町中暴走する。とにかく冠婚葬祭にかける費用の感覚が違う。プローチダは決して大きくない島だけれど、新郎新婦を先頭に数台の車を連ねて町中走り回り、プカプカ楽器を鳴らしながら結婚のお知らせをしていました。

 

Roma

 

本当にあちこちで見かけたんだけど、心底良いなと思ったのは、お任せでないこと。業者が司会して、わざとらしい手紙の読み合いとか当然ない。友人や親戚一同がとにかく盛り上げる。街を歩いているといきなり楽隊がやってきたり、ハリウッドみたいなドレスを着た女性達が歩いて来たりしたら、近くで結婚式が行われている証拠。式っていうよりパーティか。式は教会だからね。

 

Bitonto

 

ビトントで私たちが昼食をとっていたら、その建物の裏で大騒ぎが聞こえてきました。ちょっとした空間に大勢が集まって、歌ったり踊ったりして大音量が町中に響いてる。年配の女性出席者は大音量が苦手なのか、みんなから離れて見ていたけれど彼女も袖がレースになったお洒落スーツを着ていたので親族でしょう。

 

ナポリの夜、宿から歌声と歓声が聞こえてきて何だろうとベランダへ出でみたら、向かいのベランダのお兄さんが、あれはナポリ人の歌手で明日結婚するからその前夜祭をやってるんだと教えてくれました。駅からさほど離れていない通りなんだけど、大勢が集まって何曲も大合唱。なんか演歌っぽい感じの曲でナポリっぽかった。部屋着じゃなかったら出て行きたくてたまらなかった。だってすぐ下だったんだもん。夜中の12時にパッタリ止んだけど、日本では近所の人が煩い事言ったりして、ビトントの大騒ぎもプローチダの暴走もナポリの野外コンサートもできないんだろうなと思うと寂しかった。何でも業者任せじゃない、自然な社会環境がイタリアの方がある気がしたのは、私だけではありませんでした。ある生徒さんなんか感動して泣いちゃったくらい。

 

9月は結婚式がたくさん見られて幸せな気分になれるけど、逆に聖堂が見たい人にはネックになるのでそこだけ注意。見られなくても広い心で祝いましょう💕

 

 

【イタリアの街】ナポリのルッカに一人で感動

私はずっとトスカーナ州の街ルッカ司教座聖堂に祀られる磔刑像に取り憑かれて来ました。ですが今回の旅は、プーリア、モリーゼ、ナポリという南部だけの旅でトスカーナにはかすりもしませんから、ルッカ磔刑像ヴォルト・サントについての発見があるとは思っていませんでした。プーリア州のビトントの司教座聖堂のヴォルト・サントはとっくに知っていたので再会を楽しみにしていました。

 

Porta di Volto Santo di Lucca, Bitonto

 

それともう一つ、聖堂としての機能はすでに失われていますが、ナポリの旧市街ど真ん中にルッカの十字架と言う名の聖堂があるので、調べたいと思っていました。

 

 

Chiesa della Croce di Lucca,Napoli

 

勝手に一人で盛り上がって感動しました。まごうことなきヴォルト・サントです。修道女たちに囲まれた磔刑像は、とても柔和な印象でオリジナルとは全く似ていませんが、しっかり修復されているのが私には大きな喜びでした。

 

左手にちらっと見えているのが元聖堂

 

 

 

ナポリのカオスの中、このフレスコに気付く人はまず居ないでしょう。この辺は広場と道路が整理されていない不思議な空間になっていて、ルッカの十字架聖堂は落ち着かない空間の真ん中に建っています。

 

 

引いて撮影するのが難しい状況で逆光でもあり良い写真ではないですが、小さいながらも厳粛なルネサンス建築で、派手なバロック建築の嵐のナポリにあってトスカーナの雰囲気を伝えています。聖堂は完全に修復中で閉まっています。次回は事前に約束を取り付けて入れてもらおうと思います。

 

このフレスコの状態の良さに気分が上がっているところへ、さらに思っても見ない発見がありました。ナポリにはスフォリアテッラとババという二つの伝統菓子があって、現在もうんざりするほど至る所で売っています。

 

 

これはナポリの心臓、上品な人は通るのが大変な地区にあるスフォリアテッラ屋さんで撮影しました。スフォリアテッラとは、紙が幾重にも重なったっていうような意味で、フランス語のミルフィーユもほぼ同じ意味。要するに薄ーくした生地を何枚も重ねて上手に焼くのがお菓子職人さんたちの腕の見せ所だったのかもね。ユダヤ起源だとかアマルフィ修道院だとか色々言われますがとにかく有名です。正直言って何箇所かで食べたけど、ずっしりしたパイ生地が私の好みではありません。でも本場の専門店で一回買ってみようというので行ってみたら、なんとその中にルッカのスフォリアテッラがありました!びっくりです。だってミラノのとかパレルモのとかローマのとか、あちこちのものがあるなら分かるけど、あったのはルッカのだけ!あとは皆ナポリのスフォリアテッラでした。ナポリのものより中身が凝っていて、歴史的にナポリに根付いたルッカ人の痕跡を実感。

 

こんなことで喜んでるのは私一人ですが、雇われ貧乏講師なんて好きでなければやってられない証拠です💘

 

 

【旅】イタリア初心者の感想

M子さんが感想を送ってくださいました。 

Gusu Nuovo, Napoli
  

お土産は聖キアーラ修道院のあのチョコレートが好評、食べれるの?飾ってから食べるなど喜んでもらえました。ビデは以前使い方を知らなかったので顔や体を拭きました。教えていただいてありがとうございます。ホテルはどこも良かったです。皆で食事を作って食べるのもゆっくりできて楽しいですね。

 
Santa Chiara, Napoli
 

私は外国で教会に行ったことがありません。今回初めて教会に足を踏み入れるやいなや展開した別世界に息を飲みました。広く高く豪華で荘厳な世界はまるで天国で圧倒されました。そしてこの様な教会を作るにはどれ程の資金、時間、労力、技術等がかかつたのだろうと思いました。毎日が驚きと感動の旅でした。遺跡、美術館等は言うまでもなく、カタコンベ見学の帰り道に路地を歩きナポリの人たちの生活を垣間見たこともおもしろかったです。治安を気にしていましたが、住んでいる人たちは気さくで親切でナポリが好きになりました。

 

Paestum
 

M子さんは私の首都大学東京オープンユニヴァーシティの講座「西洋美術史(主にイタリア)」にずっと参加してくださっています。私は授業中に、参加者へ疑問か感想を述べるように要求します。関心の持ち方は人それぞれですが、彼女も個性的な感想を持つ一人で、それだけに本当に関心を持ってくれているのが伝わります。写真は嫌だというので、2枚目の後ろ姿も彼女ではありませんが、それぞれの場所で驚嘆しているのがよく分かりました。初心者の感想は常に大切です。そういう目で見た時期が私にもかつてあったと思うけれど、ほとんど忘れてしまっているから。ちなみにナポリ組は、ホテルはサレルノでしか使っていません。あとはB&Bだったのでみんなで食事を作るようなことになったのです。と言っても、いわゆる料理はしてないけどね。モリーゼ組ではあまり作らなかったので、ナポリ組の人たちは良き主婦が揃っていたのでしょうか?今回は、私の”コテコテ”ナポリと周辺の旅に参加してくださって本当にありがとう。感謝します💖

【旅】お土産、食べ物編

正直言って、私は食にお金や時間をかけたくない方です。

お金や時間は、聖堂、博物館巡りや入館料、書籍、次に衣類に使います。

 

とか言いながら、イタリアではめっちゃくちゃ美味しいものや料理店が目白押しなので、結局食べています。何しろ日本だったら、ぺっら〜っと数枚入った生ハムが何千円もしたりするけど、イタリアなら食べ放題的に百倍美味しいものが食べられる。大げさっていうけど、そうじゃない。美味しいかどうかは、かなり新鮮さにかかってるから、スライスしてパックになってるだけでもうアウト。

 

で、隠して生ハムとか持ち込んじゃう人の気持ちも分かるけど、マトモに持って帰れるものだけ。

 

 

今回はお土産も、私にしてはかなり買って帰りました。一目でわかる通り私にとって重要なのがコーヒー。ナポリの誇るパッサラックァからスーパーの経済的なものまで色々買いました。キンボも有名なコーヒーで、日本でもこれを使ってるイタリア料理店が結構あります。スタバが嫌い(めっちゃコスパが悪いと思う)なので自分で美味しいコーヒーを入れます。

 

で、今回絶対買って帰ると決めていたのが、コーヒーカップ。写真じゃわからないけど、これは日本ではなかなか売ってない。肉厚のぶあつーい奴でないとダメ。内側にもNapoli e...て書いてあって、ナポリ湾の絵付き💕 お土産屋さんとか、日用品店とかに売ってるのじゃなく、スパッカナポリの超地元チーなカッフェの奥のショーウィンドーにどーでもいいように置いてあったのを売ってもらいました。イタリアのカッフェって不思議な場所で本当に有益だから大好きです💖 あちこちにあって、長い時間やっていて、地元の情報が満載で、トイレを貸してくれて、困った時には色々と助けてくれる。今までどれだけカフェにお世話になったかしれません。そんなカフェは、日本のお歳暮のお土産みたいな菓子折りとか、コーヒー関連の様々な商品をな〜に〜げなく売ってたりします。今度行ったら注意してみてください。意外に面白いよ。

 

コーヒー以外には、レモンパスタ数袋。正しくアマルフィで買いました。日本では地元国立のお店でトスカーナ産のを買ったりするけど、柑橘類は圧倒的に南部、しかもティレニア海のもの。

 

 

国立のストラーダビアンカ。素敵なお店。覗いてみてね。

http://stradabianca.net/

 

あとはお菓子類。お土産には一番配りやすい、いっぱい入った袋物(写真には写ってない)は大学の人たちへ。レモンと木ノ実のヌガー各種。杏ジャム、などなど

 

一番綺麗なのは、写真では判別不能だけど聖キアーラ修道院のお土産さんで、みんなと一緒に買ったチョコレート。ナポリの聖キアーラは、とにかく陶器で全面覆われたロマンティックな中庭でとっても有名なんだけど、流石ナポリ一の観光地の一つとあって、お土産も揃ってた。チョコレートは回廊の陶器の柄を絵にしたものですごく良くできてる。しかも美味しい!

 

 

袋が反射してるけど、本物みたいにお城の絵が描いてあるのだ。

 

あと中世音楽家の友人、櫻田亨さんにリュートの小瓶に入った甘草のお酒。

彼のサイトです。音楽好きの人是非みてね。

http://www.lutelute.com/blog/

 

 

それにサレルノ一の眺望を持つ、薬草園で買った薬草茶。

 

 

サレルノは世界初の医学校ができた場所。中世の頃の医学っていうのは薬草の研究が中心。体質別に様々な薬草が植えてあって、中世の写本に従って造園されている。すっごく素敵なところだった。色んなお茶とかクリームとかを、いかにも自然愛好家って感じのお兄さんが売ってる。フィレンツェのサンタマリアノヴェッラ薬局ばかり有名だけど、こっちの方が本家本元。葡萄棚の下の方にはテーブルがあって、ティレニア海がキラキラ光るのを眺めながら、気持ちい〜風に吹かれて、すっごく美味しいお茶をゆったり飲みました。ごった返す、システム化されたフレンツェの薬局とは正反対に、私たちだけで豊かな時間を満喫。その上、みんなでお茶やクリームを買ったら、お茶代は無しにしてくれた。グラツィエ・ミッレ!

 

西洋美術、イタリアの旅、読書が大好きな貴方へ、中世西洋美術研究者SSが思う事いろいろ